サイアミディン

風邪はデトックス

ふと立ち止まって人生を振り返ると、

自分の意思とは別にいつの間にか価値観というものが、

所属する社会によって形作られているのだという事に気が付かされます。

例えば「赤身の肉は身体に悪い」「ゴキブリは気持ちが悪い」「不倫をするのはよくない」とかです。

しかし何かの機会で同じ現象を別の視点で捉え直すと、また全然違う世界が見えるという経験をよくするようになりました。

「体調を崩すと風邪を引く」というのも、固定化した価値観の一つかもしれませんが、

先日とある講演会で「風邪を引くのは一種のデトックスである」という価値観がある事を知りました。
つまり風邪を引く事によって起こる諸症状は、

身体に存在する何らかの毒を身体の外へ排出する為の反応であり、

すなわち身体のシステムが正常に機能している証拠だというのです。

糖質制限をしていると風邪を引きにくくなるという体験報告は多いですが、

私個人は糖質制限をしていても風邪を引く事もあったので、自分の糖質制限具合はいまいちなのかと自信をなくす時もありました。

けれどそれは出すべき毒があるという事ですし、身体がきちんと機能しているのなら決して卑下する事はないのだと思いました。

また毒というのはウイルスやアレルゲンなどの外来抗原だけとは限りません。

身体の中に蓄積された毒素も含みます。具体的には酸化型LDLAGEなどがそれに当たると思います。

つまり糖質制限中に風邪を引くという事は、「まだ体外に出すべき毒が身体の中に存在している」という事を教えてくれているのであり、それ自体はいいことなのもしれません。

そう言われてみれば、年に何度も風邪を引く人っていますが、

あれは身体が弱いというよりも、全身毒だらけでその毒を一所懸命外に出そうとむしろ身体が頑張っているという別の姿が見えてきます。

またいわゆる西洋薬での風邪薬は折角のデトックスを邪魔している現実が見えてきますし、

汗をかかせてデトックス機能を亢進させるような漢方薬での風邪の治し方の方が合理的だという事も理解ができます。

さらに言えば先日、痩せ型寝たきり超高齢男性の重症肺炎を診ましたが、

抗生剤を投与しても絶食にしても、去痰を心がけても点滴の糖質をゼロにしていても、

熱も出さずに坂道を転がり落ちるように悪くなりそのまま亡くなられるという経過を辿りました。

栄養も枯渇して、炎症というデトックス機能がもはや機能できなかったように私には思えました。


この事は一例に過ぎません。

何にしても既存の一面的な価値観に捉われず様々な視点から、

現実に起こっている事実を元に仮説を組み立てていく事が大事と思います。
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西洋人の発想の原点

 現在の西洋人を見ていると、自然に対峙し、これを力によって征服するというという発想が、どこか精神の奥底にあるような気がします。この征服して行く発想が彼らの原動力となって、大航海時代があり、植民地時代があり、科学技術を発展させ、非白人をを圧倒してきたように思うのです。それが、ここに来て、その方向が行き詰まってしまってしまい、突き進むことが出来ずにバランスを崩し、歪がいたるところに露出してきたように私には見えるのです。その歪は、西洋人よりも、むしろ日本人本来の感性を忘れた日本人に多く見られます。

 日本は元々、自然に対峙しこれを力によって征服するというという発想は少ないと、私は考えています。自然をおそれ、自然を活かし、自然とともに江戸時代までは生きてきたように思われます。西洋人の植民地にされたくないがために明治維新を起こし、科学技術を取り入れ現在に至りました。日本人は、自分たちの持っている発想、考えを、日本人本来が持っている感性を中心に日本人以外にわかる論理やレトリックを使って説明する必要があるように思われます。

 たがしゅうさんは、日本人本来の感性を持っているように思われます。この感性を活かし、その上で科学技術の感性を合わせ持って発言して頂きたく思います。


Re: 西洋人の発想の原点

Ken さん

コメント頂き有難うございます。

医学の分野に関して言えば、現代医療は自然の奥深さを甘く見過ぎで、
少なくとも西洋医学では病気のコントロールはできていない事がほとんどだと思います。
そしてその科学で病気を制圧するような発想、方法論で行く限り、これから先もきっと病気のコントロールは無理だと私は確信しています。

自然の持つ複雑さ、精巧さから学び、それをどうやって活かすかという発想にこそ、未来はあると私は思っています。

腰湯のこと

汗を出して、邪気を追い出すには、腰湯がベストです。先生も是非お試し下さい。なにせ薬を使わず、『初期の風邪が』完璧に治ります。
腰湯をしてみるとよくわかるのですが、交感神経と副交換神経のバランスが冷えが原因で崩れていて、体が元の状態に戻っていくのが手に取るようにわかります。この時に汗がドット汗が出ます。
これを毒出しと昔の人は考えたのでしょうね。生理学的には、汗に有毒な物質は含まれていないはずですが、汗を毒の象徴としてみているという東洋医学特有の発想だと思います。

Re: 腰湯のこと

やまたつ さん

 コメント頂き有難うございます。

 なるほど腰湯ですね。半身浴と同じと考えてよいでしょうかね。

 汗の成分そのものは生理的ですが、水もナトリウムも過剰にあれば毒たりえます。その辺りのバランスをとろうとしてくれるのが汗の大きな役割の一つだと私は考えています。

腰湯というより足湯です

半身浴でなく、足のくるぶしまでを熱いめの湯につける方法が、簡単で効果あります。
風邪は冷気を体内に引き込んで、出て行かない結果、発症すると思いこんでおりましたので、水に該当する汗を出すことで治癒するイメージがありませんでした。ご教示ありがとうございました。

Re: 腰湯というより足湯です

やまたつ さん

> 半身浴でなく、足のくるぶしまでを熱いめの湯につける方法が、簡単で効果あります。

 そうなのですね。
 それだと必ずしも風呂場でなくてもできるのでハードルが下がります。
 今度風邪引いた時に是非やってみようと思います。こちらこそ御教示有難うございます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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