サイアミディン

一枚上を行く生存戦略

映画やゲームなどで表現される人類滅亡後の廃墟と化した都市の映像などを見ていると、

倒壊したビルなどの建物に草木が生い茂って、壁や窓に蔓が巻き付いているような光景が表現されていたりします。

かたや現実の世界でも、手入れのされていない田舎の高速道路脇の石壁を見てみると、

石と石の小さな隙間からやはり緑色の草花がうっそうと生い茂っている光景を見たりすることがあります。

植物はどんな過酷な環境であっても生きていく事ができるものなのだなぁ、という事を改めて感じさせられ、

植物が生命を維持するための生存戦略にただただ感嘆するばかりです。
普段意識することは少ないかもしれませんが、ヒトを始め多くの動物は植物によって生かされています。

それは勿論、植物の光合成により酸素を生み出してもらっているからです。

しかしながら植物の方はと言えば、動物を利用して生きるための戦略の幅を広げる事はできますが、

いざとなれば二酸化炭素と光さえあれば、動物がほとんど生息していない地域でも生きていく事ができるんです。実にたくましいですね。

傲慢な動物は植物を利用して我らは生きていると思っているでしょうが、その実はお釈迦さまの手のひらで踊らされているようなものなのかもしれません。


動物が植物を利用すると言えば、私が興味を持っている漢方もまさにそうです。

漢方薬というのは主に植物の一部に由来する生薬を混ぜ合わせて、様々な薬効を持つ薬に変化させ、それをヒトの健康維持に役立てる技術ですが、

これはまさに植物の持つ成分を人間がうまく利用している良い例であろうように思えます。

はたしてどうして植物は人間にとって都合の良い物質を自分の体内に抱え込んでいるのでしょうか。これでは利用されても仕方がないのではないでしょうか。

いえ、それすらも植物が生きていくための巧みな戦略であるように私には思えます。

植物は大きくわけて、毒を持って自分が生きるのに邪魔となる動物を排除する戦略をとるものと、薬を持って自分が生きるのに益となる動物を助ける戦略をとるものとの二種類があるのではないかと思います。

毒と薬は紙一重」とはそういうことで、植物が選択した生存戦略のベクトルの違いに過ぎず、どちらにしても動物は植物によっていいように操られているという側面が見えてきます。

漢方が人間に益をもたらすのも、益を受けた人間がその植物を大事にして栽培し増やそうものなら、植物の戦略にまんまとはまっている事になるのかもしれません。

それに比べて動物が取る生存戦略はどういうものでしょう。

そう考えると植物は、動物に比べてなんと賢い生き物なのだと思えてきませんか。


そしてこの話を植物と動物は全くの別物で、すごいけど自分には全く関係のない話と捉えるとそこまでなのですが、

植物と動物に共通する原始生命体があり、生命の設計図であるDNAに共通する部分があるという事を知り、

さらに遺伝子が後天的に変えられるというエピジェネティクスの考えを取り入れれば、この話は一段と深い話へと進化していきます。

そう考えて私は植物の凄さについて少しずつ学びを深めていっています。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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