サイアミディン

裸療法は人為的な環境適応

先日紹介した西式健康法をもう少し踏み込んで考えてみます。

西式健康法の四大原則の一つ「皮膚」の項では、「裸療法」と呼ばれる治療法が掲げられています。

裸療法というのは、部屋を開放して裸になって毛布をかぶる、脱ぐという行為を数十秒~数分程度の間隔で6~11サイクル繰り返すというものです。

そんな事したら風邪引いちゃうよと思われるかもしれませんが、西先生はこれに関して次のような言葉を述べています。

「現代人の多くは、空気の流通がきわめて不完全な近代的建築物の中で仕事に従事するようになった。

人々は、部屋の中に、暖冷房装置とか、扇風機とか、氷柱とかを備え、柔らかい寝床に休み、毛織物の厚い衣服をまとい、毛皮を利用するようになった。

・・・・・・このような生活は、われわれの精神と肉体とを健全になものにしただろうか
西先生はこのように、人間の創り出した文明生活の不自然さに注目すると同時に、

一方で生命の進化という点にも非常に注目しておられます。即ち裸療法で焦点となっている「皮膚」、その進化と歴史です。

もともと単細胞生物からすべての生物は進化したという観点から西先生は次のようにも述べています。

「単細胞生物は、皮膚と呼ばれるものをもたなかったが、

皮膚を意味する外表を介して栄養を吸収し、空気を呼吸し、また老廃物を排泄しているのである。

単細胞生物から進化したわれわれ人間である以上、皮膚をたんなる境界面とのみ解するとき、生体の正しい生活相を理解することはできないであろう」


皮膚の祖先は、栄養を吸収し、空気を呼吸し、老廃物を排出する・・・、

だとすれば、その進化形である皮膚をまとったヒトが衣服で皮膚を覆うのはどうなのだろうと西先生は考えたというわけです。医師ではないのに西先生はここまで考えられる人なのです。

すなわち裸療法はこの視点から裸と着衣を繰り返すことによって、皮膚が本来持っている働きを活性化させようという意図があるのだと思います。

確かに寒冷と温暖を繰り返せば、自律神経を介して血管が収縮したり、拡張したりと、皮膚への血流にとっては刺激になるという事はわかります。

しかし実際にそれをやってみるとなると先日水シャワーを浴びた私の実体験から考えても、相当きついですし、

これでは本当に風邪を引いちゃいそうです。


ん?待てよ、と私は思いました。

人間は困難と感じる環境には適応しようとします。

寒いと風邪を引きますし、風呂上がりに早く温かくしないと風邪引くよと親にはよく怒られましたし、実際本当に風邪を引いたこともありました。

しかし風邪をひくのは良くない事なのでしょうか。

そもそも風邪とは外邪から身を守る防御反応としての炎症であったり、

毒素を排出するためのデトックスとしての側面もあるという事も以前学びました。

もしも風邪というものが寒冷という過酷環境にさらされて、それを乗り越えようとする人体の環境適応反応であったとすればどうでしょうか

風邪を引くたびにヒトは困難を乗り越え強くなっていく、そのプロセスを歩んでいるように考えられなくもありません。

西式健康法の裸療法が、そのプロセスを人為的に惹起しているのだとするならば、これはなかなかよくできた治療法かもしれません。


いやいや、でも待って下さいと。

世の中には何度も風邪を引いて体調悪そうにしている人だっているではないですか、という声も聞こえてきそうです。

ところが、これについてはこう考えてみてはいかがでしょうか。

環境適応というのはある程度のエネルギー、すなわちATPがある状況でないと起こらないのではないかという事です。

そう思ったのは小保方晴子さんの本で、「STAP現象を起こすために最も適したストレス条件はATPに細胞を晒すことだった」という文章を読んでいたからです。

STAP現象がはなから無いと考えている人達には理解されないかもしれませんが、

STAP現象とは絶食における好転反応と同様に、言わば生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた条件において発動される起死回生の環境適応のための遺伝子変化です。

そのような逆転ホームランを起こすためにはATPが必要で、それがなければ細胞は死の運命をたどってしまうことを考えれば、

ATPが少ない状況で風邪を引くことは環境適応できずにただただ身体を痛めてしまう反応でしかないという話につながってきます。

かたやATPが十分にある状況で風邪を引けば、身体はそれこそどんどん環境適応を起こし強くなっていくという話になっていかないでしょうか。

じゃあ、ATPが十分にある状況ってどんな時ですか?

それはケトン体を利用しているときに他ならないはずです。

従って、西式健康法の裸療法にも糖質制限の考えを組み込めば、

さらに確実に環境適応を起こし、健康を取り戻すための手段として利用できると私は思います。


たがしゅう
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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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