サイアミディン

良い情報の裏も捉える

漢方をがんの治療に用いるという発想があります。

多くの場合は抗がん剤の副作用を緩和したり、抗がん剤によって奪われた体力を復調したりという西洋医学ベースの治療の補助的な役割に留まります。

ところが稀にいる凄腕の漢方医の先生は、漢方の起源である中国医学の知識をも用いて末期がんを完全寛解に持っていく症例を発表されています。

糖質制限、ケトン食の観点がなくてもそこまでの事ができるというのが凄いですね。

先日がんの治療困難例を漢方で十数例治したという発表をされる先生の話を聞きましたが、

それだけ聞けば、西洋医学ベースのいわゆる三大治療を行うよりも漢方を勉強した方がよほど良いという話になるのですが、

ここで私はその先生へ「その著効した症例は全患者の中のどのくらいの割合なのか」という質問をしました。
すると「600例ほど診て著効したのは数%だが、ほとんどの症例で何かしらの改善効果があった」という御返事でした。

私がこの質問をしなければ、その先生の話を聞いて「中国医学を極めればがんでさえもコントロール可能になる」という印象を持った聴講者も少なくなかったと思います。

それでも数%でも完全寛解があるのならそれでもなかなか素晴らしい成果だとは思いますが、

私がここで言いたいのは、「情報をコントロールできる側からの一方的な情報の解釈には注意を要する」という事です。


例えば私もブログをやっていますが、

日常診療でうまくいった症例を発表するのは簡単です。

勇気がいるのは、むしろうまく行かなかった症例を発表する事なのです。

ブログのような場でうまく行かなかった症例を発表すれば、信頼度が下がり読者が離れていく事になりかねないからです。

読者がどう評価しようが、本質的な事を伝えようと失敗症例を紹介する事は、それはそれで価値があることなのですが、

多くの管理人はそうは考えません。やっぱり自分が凄いと思われたいし、承認欲求を高く持っているものです。

だからなんでもかんでもうまく行ったというような情報は、その見えない部分にも想像力を働かせながら情報に接する必要があると思います。

さもなくばそうした魅力的な情報に容易に洗脳されてしまうと思います。

何度も言うようですが、大切なのは「自分の頭で考える力」です。


たがしゅう
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失敗から改善提案

おはようございます。
うまくいかなかった現象も、(いや、むしろそっちのほうが)貴重な財産です。
だいたいうまくいっていることからは何も学べないです。

先日、自転車のかごに傘を入れて走ったら、傘が落ちて車輪にからまって、傘の骨が曲がって使えなくなってしまいました。
次からは、自転車で傘を持っていくときは、折りたたみをかばんの中に入れて持っていこうと思います。
こんな簡単で当たり前なことでも、失敗してみないと気づけないのです。
あまり通ったことのない道だったから、歩道の凹凸を把握していなかった。
急いでいた。
そもそも、傘を持っていく必要があったの?

うまくいかなかった理由を考察して、改善してみる。
お医者さんの症例だと、うまくいったケースとそうでないケースを分ける理由って何だろうと、ぜひ考えてほしいと思います。

芸能人の皆さんは、自分の出演しているVTRを見て、演技や受け答えを、すごく研究されるそうです。「ギャ~、私が映っている」なんてハイになっていては生き残れません(笑)。

Re: 失敗から改善提案

エリス さん

コメント頂き有難うございます。

「失敗から学ぶ」「失敗こそ財産」とは世の中の様々な場面で有用な考え方ですよね。
失敗を公開する事は勇気が要りますが、私はそこから学ぶ姿勢を忘れずにいたいと思います。

直感も大事ではないか

たがしゅう先生こんにちは。
私の場合、何が正しくて何が誤りかは結局のところ直感でしか判断出来ません。
直感というのは、ヤマ勘ではなくて、自らの知っているだけの知識を総動員しての感です。
例えば、『卵はコレステロールの塊だから一日に一個だけ』『コーヒーは体に良くない』『肉は血を汚すから肉より野菜をたくさん食べなさい』こういった昔の健康情報も時が経つと『卵は1日に3.4個とっても良い』『コーヒーは一日4杯飲んだ方が良い』『肉はたくさん食べた方がいい(糖質制限しながら)』と変化しました。(先生、間違いならば、訂正して頂けますでしょうか?)

昔と今で、真逆に近い情報が世に広まるとは、、、
一般市民は膨大な情報からリテラシーするのは不可能に近いので、過去の言い伝えや文献やネットからの情報を総動員して判断するしかないので、やはり直感に近いものがあります。

Re: 直感も大事ではないか

だいきち さん

 コメント頂き有難うございます。

 大きな意味でみれば、世の中にこれが絶対正しいという考え方はないと思います。
 例えば、私にとって正しいと思うことが、だいきちさんにとっても正しいとは限りません。

 いつも自分の考えを「これで正しいのか」と疑う姿勢を保ちつつ、どの状況においても安心しきらないという事が大切だと思います。

私の考え

>情報をコントロールできる側からの一方的な情報の解釈には注意を要する

 これは言い返れば、拍手を期待するような文章ばかり書いている人物がいるということであり、負のエビデンスを隠しているケースがあるということです。

 糖尿病学会のガイドラインや食品交換表などは、まさにこれに該当しています。食品交換表には50年の歴史がありながら、エビデンスが未だに無いことを完全に黙秘しています

 日本糖尿病協会のFacebookは、拍手を期待するような文章ばかりで、討論になっていません。
https://www.facebook.com/nittokyo/

Re: 私の考え

精神科医師A 先生

 コメント頂き有難うございます。

> 日本糖尿病協会のFacebookは、拍手を期待するような文章ばかりで、討論になっていません。
> https://www.facebook.com/nittokyo/


 本当ですね。
 聞こえのいい言葉には裏があるのだということを、我々はもっと認識する必要があると思います。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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