サイアミディン

こどもの糖質制限に関する現場報告

専門家に任せるという行為は、楽ですがリスクをはらむ行為です。

医療に関してはその傾向が特に顕著です。なぜなら任せる中身が他ならぬ自分の健康であるからです。

自分以上に自分の身体を理解できる立場にいる人間はいません。だから私はどれだけ医学知識の豊富な医師が診ようとも、

3分や5分、せいぜい10分の診察でその人の健康の全てを理解するなど到底できないということ、

そして医師に頼るのではなく、医師を利用して自分主導で健康管理していく事がこれからの医療には大切だと主張してきました。

要するに大事な事は専門的な知識よりも、事実をありのままに観察することです。これには時間と常識にとらわれない心が必要です。

この考えをこどもの健康に応用すればどうすればよいでしょうか。
勿論こども自身にも自分の身体からの声に耳を傾ける事を教えていく必要がありますが、

まだ自我の形成や発達が不十分なこどもには親をはじめとした周りの大人のサポートも不可欠です。

そしてここでも重要なことは、どれだけこどもの観察に時間をかけられるか、どれだけ常識にとらわれない真っ直ぐな心でそこで起こっている現象をとらえられるかという事だと私は思います。


先日、『「糖質制限」が子供を救う』という、こどもの糖質制限について述べられた画期的な本が出版されました。



「糖質制限」が子供を救う 新書 – 2016/11
三島学 (著)


著者は北九州で個人塾の「三島塾」を経営されている三島学先生です。

私はこの本が小児科医から出されたのではなく、塾の先生から出されたという事実に医療が抱える本質的な問題点が現されているように思うのです。

すなわち「医師より塾の先生の方がこどもをよく見ている」ということです。

また、見ている時間が長いだけでは不十分で、それをいかに常識にとらわれずに見つめる事ができるかどうかが大事です。

一番長くこどもを見ているはずの親でも、糖質制限の観点がなければこどもの反抗期や体調不良がよもや糖質摂取に影響を受けていることに気づきようがないわけですから。

その点、三島先生は自身が糖尿病となり、糖質制限でそれを克服し身も心も健康を取り戻したという経験がありました。

個人塾という場で長くこどもを観察し、糖質制限の視点を持って現場を観察したからこそ、糖質摂取がこどもの健康に悪影響を与えているという事に気付き、それを本にまとめられたのだと思います。


「医師でもない人間が、こどもの糖質制限を語るとは何事か」と、

そんな声も聞こえてきそうですが、これは現場からの貴重な観察報告です。

本を読み進めれば、何も三島先生がこどもに強制的に糖質制限をさせたのではなく、

糖質制限をして元気になった三島先生の姿を見た塾生が糖質制限に興味を持ってやり方を教えてもらい自主的に糖質制限を始めたのがきっかけだったと記されています。

たとえ糖質制限がガイドラインに記載されておらずとも、「糖質制限をやってみたい」というこどもの自由な気持ちは尊重されてしかるべきと思います。

それにそんな批判する人に対しては「医師ならここまで時間をかけてこどもを観察することができたのでしょうか」と問いたいです。

これは熱心に塾での指導を行い、こどもの身体の事を真剣に考えていた三島先生であったからこそできた仕事であったと思います。

そしてその根底には三島先生のこども達に対する愛が溢れています。そう感じられる文章です。


この本は糖質制限に興味を持つ人のみならず、

全ての子育てに関わる大人が知っておくべき内容が書かれた必読の書と思います。


たがしゅう
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はじめまして。いつも愛読させていただいてます。今回ご紹介された本が、入手しづらい自費出版ということが、辛いところです。けれど皆様のおかげで多くの方が健康になっており感謝です!私の高校生の子も低糖質高タンパク質の食事にしてから体調がいいです。ただ、脳の栄養はブドウ糖のみ、が学校の中間テストの正解でして、母は怪しい目でまだ見られてます。今回の本をリビングに置いとこうと思います。

初めましてご意見をお聞かせください

たがしゅう先生。初めまして。
大変貴重な情報を得られるこのブログが楽しみで毎日チェックしています。糖質を過剰摂取するのをやめる生活にしよう、糖質過剰摂取からくるうつ状態から抜け出そう、そして幸せになりたい、この目標がある私にとってたがしゅう先生の情報発信がどれだけ励みになることか。感謝しています。
今回よろしければご意見をお聞かせいただきたいことがあります。
わたしは持病はありませんが糖質を過剰に摂取しています。甘いものやご飯類などたくさんです。おかげで怠惰になっています。精神面でもやる気がなくなり、前向きに考えていっても土台となる脳が元気がないような状態では小手先といいますか、根本的な改善にはなりません。
これまで健康情報、糖質制限肯定、否定両面勉強し実践もしたことがあります。
でもやはり私には糖質制限が合っていると思います。
私には目標があってドーパミンやセロトニンなどの幸せを感じる脳内物質がしっかり分泌される健康体になって、さらに利他的な思考や行動を行なって行くことにより多幸感を感じる人間になることです。
この状態になると身の周りの人に明らかに変化を感じ取られます。その状態で相手から聞かれたら喜んで糖質制限の話しをしてみようと思います。
たがしゅう先生、糖質制限を正しく行なった場合ドーパミンやセロトニンが正常に出るようになりますよね。その状態をさらにレベルアップして多幸感を感じるような状態にもいけると思われますか?もちろんその場合は糖質制限プラスαで何らかの思考や行動は大切です。
たがしゅう先生もそういう多幸感を感じる状態を感じることがあるのでは?と思いますがいかがでしょうか。差し支えない範囲で教えていただけると嬉しいです。

お疲れ様でした

昨日は豚皮揚げの会、講演会とお疲れ様でした。

たがしゅう先生の質問、「人類は穀物を主食にできるように進化しますか?」はとても良かったです!

夏井先生のお答えでは、穀物も麻薬と同方向なので、人類が進化しても主食になることはないんですね。

肉や魚を食べたとき美味しいと脳が反応してる部位と、糖質を食べたときの美味しいと反応してる部位は、やはり違うのかな?

いずれにせよ今回の講演会を拝聴して、江部先生、夏井先生とも、今の知識や地位に満足せず、常に新しい知識を貪欲に学ぶお姿は本当に凄いと再認識しました。

Re: タイトルなし

T さん

 コメント頂き有難うございます。

 この本は具体例もたくさん紹介されていて、お子さんがおられる御家庭にとっては特に参考になるでしょうね。
 
 学校現場で糖質制限が普通に紹介されるようになるにはまだまだ時間がかかりそうですが、地道に広めていきたいと思います。

Re: 初めましてご意見をお聞かせください

多幸感を目指して さん

 御質問頂き有難うございます。

> 糖質制限を正しく行なった場合ドーパミンやセロトニンが正常に出るようになりますよね。
> その状態をさらにレベルアップして多幸感を感じるような状態にもいけると思われますか?


 糖質制限は本来の人間の働きを取り戻す行為です。
 それが基本的な状態であって、それ以上の多幸感が得られるかどうかは人生のイベントによりけりだとは思います。

 ただ特殊な例として長期間の絶食で強力なケトーシスを誘導する事によってランナーズハイのような多幸感が得られるというものがあります。個人的にはそこまでの多幸感はまだ経験したことはありませんが。

Re: お疲れ様でした

岸和田のセイゲニスト さん

 コメント頂き有難うございます。

 人類は穀物摂取に適応できないであろうと思って質問してみましたが、両先生とも同じ見解であったのでよかったです。
 ならば私達がすべきことは進化を待つことではなく、環境を変える事だと思います。

e-honで買いました

こんにちは、初めまして。いつも先生のブログを拝見しています。
三島先生の『糖質制限が子供を救う』、なかなかamazonで扱ってくれないので、私は、版元の大垣書店さんが加入しておられるe-honという全国の書店ネットワークから、買いました。
会員登録する時、自分が住んでいる地域のe-hon加盟書店のうち、宅配もしてくれるところをリストから選んで、そこを指定して登録すれば、そこから宅配してもらうかたちで、購入できます。
すぐに届けてくれましたよ。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top
三島先生の本は、ここにあります。
ベストセラーになっているようです。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033523498&Mail_id=2001&Action_id=121&Sza_id=GG

Re: e-honで買いました

みか さん

 情報を頂き有難うございます。

 自費出版で、amazonで扱われなくともベストセラーなのですから、糖質制限がいかに注目を集めているかという事を伺い知ることができますね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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