サイアミディン

他人の経験を自分の頭で考え直す

糖質制限の理論でもって教科書に書かれていないような未開拓の問題を考える時には、

理論的な裏付けがある事も大事ですが、自分の実体験が後押ししてくれることも多々あります。

例えば私が初めて糖質制限を実践した時、ただ体重が減っていくだけではなく、身も心も軽くなり何か身体の根本的な所が変わっていく体感を得ました。

この実体験はその後糖質制限にまつわる様々な問題を考えていく時にも大きな推進力になってくれています。

一方で、一回きりの人生で世の中のすべての事を自分で体験するという事は不可能です。

男性なら女性の体験をすることは一生の中では無理ですし、太り体質の人がやせ体質の人の体験をすることも困難を極めます。

そんな時参考となるのは、他人の体験談から情報を得るという事です。
しかしどれだけ信頼できる相手であったとしても、他人の体験をそのまま鵜呑みにすることにはリスクを伴います

もしかしたらその人が嘘をついているかもしれないし、嘘をついていないにしても無自覚に解釈を間違っている可能性も否定できないからです。

また本を読むのも、広い意味での他者の体験を自分の中に取り入れる行為です。

昔は本を出版するような人は皆頭の良い人達で、本には概ね正しい事が書かれているものだと思っていましたが、

糖質制限を通じて読むことで、本には必ずしも正しい事が書かれているとは限らないという事がよくわかりました。

そう考えると、本を読むことでさえ安心して情報を取り入れる事はできないのです。

では一体どうすれば自分の実体験以上に自分の世界を拡げる事ができるのでしょうか。


私は、他者から得られた情報を一旦自分の頭の中に取り込んで、

自分の中で咀嚼して解釈をし直すという作業が大事なのではないかと思います。

言い換えれば、「他者の体験を自分の頭の中で追体験する」ということです。

つまりは他者の経験を聞いた時に常に「自分ならどう思うか」という事を考えるように心がけるのです。

例えば、ある人で断食で辛い目に遭ったからもう行きたくないという事を語っていたとします。

その時に私は、「その人がどういう想いで断食に臨んだのか」」「断食前の食事はどうだったのか」「辛い目に遭った原因は何だったのか」などを考えるようにします。

その結果、その人が友達に勧められデトックス目的で断食に参加していて、

断食前は糖質中心の食生活を行っていて、糖質代謝からケトン代謝へ急ハンドルを切った事が原因だったのではないかという事がわかったりします。

そしてその他者の経験を自分の頭の中で追体験するならば、

自分の断食の目的は遺伝子変化による環境適応であり、オートファジー活性化による異常タンパク質の分解であり、ケトン体産生に身体を慣らすことです。

そして急激なケトン体産生で身体の調子を崩さないように普段から糖質制限でケトン体代謝に慣らしておくように下準備します。

その結果、もし辛い目にあったとしても、急激にケトーシスの状態に持って行き過ぎたかなどうまく行かなかった原因をそれはそれで考察するようにします。

このように頭の中でシミュレーションしながら、実際に体験可能な事であればチャレンジするようにします。

勿論綿密にシミュレーションできる事もあれば、未知の体験であり予測困難な事だってあります。飲尿体験などはまさにそうでした。

だから実際の実体験と空想の追体験を生み合わせる事で、より信頼度の高い世界を自分の中に拡げる事ができるようになるのではないかと私は思うわけです。


一人の力には限界があります。だから人々は手と手を取り合い社会を作ります。

社会を知れば自分の世界が広がります。その時に大事なことは社会という世界を自分の頭の中に落とし込む作業です。

「自分の頭で考える力」で社会を考え直す事が、自分の中での世界の可能性を拡げてくれるのではないかと私は考えます。


たがしゅう


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メタモルフォーゼ

こんにちは。

男性なら女性の体験をすることは一生の中では無理>>> フィクションですけども、「君の名は。」では、男女が入れ替わり、女子力の高い男子高生と男前の女子高生になって、それなりに適応努力して、それぞれまわりから好意的に受け入れられました。別の人格になって(なったつもりで)、別の人生を生きるのもすごくおもしろいかもしれません。男性には女装をして、女性の疑似体験をしてみたらどうでしょう。

映画を見るのも、主人公になって見たり、友だち目線になって見たり、主人公のお母さんの気持ちを想像して見てみると、全然違うのでおもしろいです。



Re: メタモルフォーゼ

エリス さん

 コメント頂き有難うございます。

 なるほど疑似体験ですか。そういう事ならこれまでも映画や漫画で無意識に経験してきたかもしれませんね。映画や漫画にはそういった意義もあると思えばより興味がわいてきます。

 そう言えば、先日漫画家の手塚治虫先生は性同一性障害とかXジェンダーとか、まだ世間が身体と精神の心の不一致の問題に無関心な頃からこの問題を積極的に取り扱うマンガを描き続けていたというテレビ番組を見ました。やはり見る人は見ているものですね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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