サイアミディン

相手を思いやり続ける

自分の欲望に抵抗できない者は恐ろしい罪に陥るという教育書『エミール』の一節を紹介しましたが、

恋愛も自分本位だけではなく、相手を思いやる気持ちがなければきっとうまく行かないと思います。

そんな事を考えていると、次のようなニュースを目にしました。

医師が強姦容疑、千葉
2016年12月02日

千葉県警は12月1日、2011年に同県内の住宅で就寝中の女性(31)に暴行したとして、強姦と住居侵入の疑いで、千葉県松戸市の医師(47)=準強制わいせつ罪で起訴=を逮捕した。県警によると容疑を否認している。

容疑者の医師は、勤務していた長野市内の病院で女性患者にわいせつな行為をしたとして今年9月、長野県警に準強制わいせつ容疑で逮捕された。

逮捕容疑は11年12月22日深夜、女性方に侵入、就寝中の女性を脅して暴行した疑い。女性は1人暮らしで医師と面識はなかった。
病院によると、医師は昨年4月から精神科の常勤医師として働き、今年11月2日に懲戒解雇された。

まさにエミールで記された「恐ろしい罪」という部分を、

自分の欲望が暴走した場合、どのような顛末が待ち受けているかという事を、このニュースは物語っているように思います。

これは極端なケースですが、相手への思いやりが足りない事によって、これの手前の段階で恋愛がうまくいかなくなり別れるというようなケースは結構あるような気がするんです。


私は昔から恋愛には奥手な人間でした。

それは何より自分の自信の無さから来ているものだと今ならよくわかります。

自分は相手の事を好きだけれど、こんな自分を相手が好きになってくれるはずもない

そう決めつける事によって、アドラー的に言えば、「自分が傷つかないという目的のために、自分は自信がない人間だという感情を作り出している」という事になるんだろうと思います。

でもそれは自分が傷つかない事も確かにそうだけれど、相手への思いやりという事にもならないのだろうか、とも思うわけです。

ブサイクな男が告白するのを最初から控えておくのは、対処する相手の女性の身にもなれば、それは一つの相手への優しさという事にはならないのでしょうか。

もしもその優しさが欠如していれば、自分がブサイクだろうがなんだろうがとにかく相手へ自分の想いを伝え続ける、ある意味チャレンジャーな男になります。

しかしその想いが暴走すれば前述のニュースのような事態につながってしまう・・・一体どうすればいいのでしょうか。


きっと、こうすればよいというマニュアル的なやり方は存在せず、

結局は人と人とのコミュニケーションの問題なのかなという気が致します。

自分がブサイクであろうと何であろうとまずは相手が好きかどうか自分の気持ちを確認する、そこからスタートです。

好きならば次に相手の事を気遣います。相手とのコミュニケーションの中で自分が告白する事が相手にとって迷惑にならないかどうかを探ります。

例えば相手にすでに恋人がいるかどうかとか、現在の相手の仕事や環境、恋愛観などを探るのもそうでしょう。

その結果、大きな障壁がないとわかれば告白してみる価値がありますし、なければ潔く諦めること、これは欲求のコントロールです。

告白してOKでもその後もコミュニケーションを取り続けて、自分の価値観と相手の価値観を突き合わせる機会を幾度も作ります。その結果、うまくやっていけそうなら結婚の選択肢を考慮するし、そうでなければ別れるというのもアリでしょう。

告白がうまくいかなければ一歩引きますが、それでもどうしても相手の事が好きであれば何度でも告白するというケースもありますね。私は個人的にはその境地に達した事はないですが、相手が心底嫌な顔をしていなければその選択もありかもとは思います。

このように「自分の気持ち」+「相手への思いやり」を探るコミュニケーションは、

恋愛のそれぞれのステージで絶えず行い続けなければならない工程だと私は思います。

これは考える事をやめない哲学者のスタンスに近いものがあります。

考える事をやめて、自分本位に突っ走れば恐ろしい罪に陥るし、自分を押し殺し続ければリスクがない代わりに幸せも得られません。

そんな価値観を知人に語っていたら「たがしゅう先生、考えすぎ」と笑われました(^-^;


いやぁ、人生って難しいものですね。

「悩んでもいいんだ」という道元の言葉が心に突き刺さります。


たがしゅう
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恋愛も理論でなく実践です

恋愛も糖質制限と同じで、自分で一歩を踏み出すこと。一歩踏み出してしまうと、自分に合ったスタイルを模索する必要があるのが共通項かと。
糖質制限では大胆な推進者であり、世界の見え方が変わったとおっしゃる先生も、こと分野が異なると、糖質を制限するよう奨めても、言い訳ばかりする患者さんのようで微苦笑しながらブログ記事を拝見しています。
豚皮の会でよくお目にかかりますが。先生のことを好意的な視線で見ている女性の割合が上昇しているように感じています(ハズレていたらすいません)。
失礼ながら、先生の年代なら大上段に構えずに、いいなぁと思ったら、お食事に誘ってみるとか、大人の交際始めて違和感ありません。誘ってもらった女性も嫌な気分ではないと断言しておきましょう。
ただし、食事は糖質制限バリバリの居酒屋メニューでなく、センスの良いロカボなお店で。以上、経験者の余計なおせっかいでした。

Re: 恋愛も理論でなく実践です

やまたつ さん

 コメント頂き有難うございます。

 痛い所をつかれました(笑)。私の中にも変えられない2割の部分があるという事なのでしょうね。

 理論より実践、理論的には正しい糖質制限のお店でも、雰囲気が悪ければ台無しという事ですね。大変参考になります。

視点を変えれば

先生が感じておられる「痛い所」は、糖質制限を拒否する患者さんの気持ちを「追体験する」ひとつの視点になるかもしれませんね。
ごはんや麺類食べなくても、不健康にならないどころか、健康になるのに、既存の習慣にしがみつく、もっともらしい理屈で抗弁する患者さんの気持ちのありようについて、今の先生ならよく理解出来るのではないでしょうか(チョット上から目線ですが)。
無論、医療の現場で、注射や投薬でなく、患者さんに主体的に行動してもらうには、別次元の話であるのは当然で、さらに難しい話があると思います。
ただ、先生が時々感じておられる無力感(目の前の宝物にワザと目をつぶって通り過ぎる患者さんの行動)について、少しでも気分的に楽になればと思い、余計な追伸をさせていただきました。

Re: 視点を変えれば

やまたつ さん

 コメント頂き有難うございます。

> 先生が感じておられる「痛い所」は、糖質制限を拒否する患者さんの気持ちを「追体験する」ひとつの視点になるかもしれませんね。

 本当にその通りですね。

 私がリスクを恐れて恋愛に消極的になる理由と、患者さんがリスクを恐れて糖質を制限しない理由、本質的に何が違うのかと問われれば返す言葉もございません。

 あるいは逆に見れば、あえて恋愛に踏み切らないという選択が絶対悪でないように、糖質制限の事を知った上で糖質を摂る生活を選択するという事自体も絶対悪ではないのだという事を私達は知っておくべきであるように思います。

 大事な事は選択の余地が残されているということ、選択するための情報を自分の意志で自由に得られる環境を作る事が大事であるように思います。そう考えれば私がブログで情報発信を続ける意義はありますし、私が勧める通りに患者さんが動かずとも、私は私の中で心を整理できると思います。

 重要な御示唆を与えて頂き心より深謝申し上げます。

辟穀が中国医学の主流から外れたこと

>糖質制限の事を知った上で糖質を摂る生活を選択するという事自体も絶対悪では>ないのだという事を私達は知っておくべきであるように思います。

おっしゃる通りです。
辟穀が健康に効果あると古代中国でとっくに認識されていたのに、一般に定着せず、中国医学の主流から外れてしまったのは、穀物を絶対悪として祀り上げてしまって、穀物食べる人=俗人・凡人、穀物食べない人=仙人・聖人という区別で見てしまった点にあるというのが定説のようです。
現代の糖質制限も流行のレベルでは、糖質=悪者として、トンカツ屋で衣をはがしたり、回転寿しのシャリを捨てる行為が一般に指摘され始めており、糖質制限の定着には先生のおっしゃる選択の自由度ということが今後重要な要素になると思います。

この度は愚問に対する丁寧なご回答ありがとうございました。

実践ですよ

たがしゅう先生へ
最近、恋愛がらみの記事が多く投稿されて、ニヤニヤしながら(失礼)拝見してます。
先生、心理学を恋愛臆病な思考に都合の良いように解釈してませんか?
人生を豊かにする心理学なのですから、恋愛も人生を豊かにするものですから、恋愛豪胆に利用してもいいと思います。
糖質制限をぶれることなく推し進める姿勢は、素晴らしいにほかなりません。男らしい姿勢です。
分かる方にはわかります。
焦らずも、でもチャンスが来たら逃さず、しかも豪胆にトライしてみるべきです。
結果、上手くいかなければ縁がなかっただけの話です。

すいません、上から目線に聞こえたら失礼いたしました。

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Re: 実践ですよ

だいきち さん

 コメント頂き有難うございます。

> 人生を豊かにする心理学なのですから、恋愛も人生を豊かにするものですから、恋愛豪胆に利用してもいいと思います。
> 焦らずも、でもチャンスが来たら逃さず、しかも豪胆にトライしてみるべきです。
> 結果、上手くいかなければ縁がなかっただけの話です。

 
 本当そうですよね。
 なんでこと恋愛になると自分のスタイルが消極的なままなのか、自分でも不思議です。

 せっかくアドラー心理学で学んだ生き方をそういう方面にも活かしていきたいと思っています。

Re: No title

ユッキ さん

 コメント頂き有難うございます。感謝あるのみです。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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