サイアミディン

帝王切開出産が増えた本当の理由

先日、何気なくYahoo! ニュースを見ていたら、次のような記事が飛び込んで来ました。

読者の皆さんはどのように感じられますでしょうか。

帝王切開出産が人類の進化に影響=オーストリア研究者ら
BBC News 12/7(水) 14:02配信


(以下、引用)

帝王切開の普及が人類の進化に影響を及ぼしていると、科学者らが指摘している。

オーストリアの研究者らはこのほど、骨盤の幅が十分でないために帝王切開が必要になる母親が増加しているとの調査結果をまとめた。論文は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。

研究者らの推計によると、生まれてくる赤ちゃんに対して産道が狭すぎる例が、1960年代には1000件のうち30件だったのが、現在は36件に増えた。

従来であれば、これではお産が成功しない。そのため、こうした身体的特徴の遺伝は阻害されていた。

研究者らは、現在のような傾向は今後も続く可能性が高いとみているが、自然分娩がなくなるとは考えていない。

ウィーン大学の理論生物学部のフィリップ・ミッテレッカー博士は、「お産に問題が生じる率、特に胎児が産道のサイズに合わないという胎児骨盤不均衡の率が、これほどまでに高いのはなぜか」と述べ、人間の進化には長年の疑問が残っていると指摘した。

「現代医療の介入がなければ、このような問題は致命的になることが多く、進化論的に言えば選択が起きる。骨盤が非常に狭い女性は100年前であれば、無事に出産できなかっただろう。現在はそれが可能となり、狭い骨盤という遺伝子情報を娘たちに伝えている」

【相反する傾向】

なぜ人間の骨盤は広くならなかったのか。これは、長年にわたる進化の疑問だとされてきた。ほかの霊長類と比べて人間の赤ちゃんの頭は大きく、例えばチンパンジーなどの動物は人間よりも比較的楽に出産できる。

研究者らは、世界保健機関(WHO)などによるお産に関する大規模な調査データをもとに数理モデルを作成し、相反する進化の傾向を発見した。

たとえば、新生児は以前より大きく生まれる傾向がある。これによって、より健康な赤ちゃんが生まれている。

しかし、もし大きくなり過ぎれば、分娩時に産道を通過できない。歴史上、これは母体と胎児の両方に破滅的な結果をもたらし、遺伝子の伝達はそこで止まってしまっていた。

ミッテレッカー博士は、「より小さな赤ちゃんが生まれやすいという進化の選択を促す力は、帝王切開で消え去った」と指摘する。「医療の介入を批判するわけではない。しかし、進化への影響はあった」。

【将来の傾向】

赤ちゃんが産道を通れない割合は、かつて世界で1000件あたり30件、率にして3%だったが、過去50~60年の間にこの割合は36件、3.3~3.6%まで上昇したと推計している。進化による上昇率は10~20%だ。

ミッテレッカー博士は、「将来はどうなるのか。これは差し迫った疑問だ」と話す。「この進化の傾向は続くが、小さくゆっくりした変化かもしれない」。

「変化の限界はある。なので、いつか帝王切開で生まれる赤ちゃんが多数派になるとは考えていない」

(英語記事 Caesarean births 'affecting human evolution')
(c) BBC News
最終更新:12/7(水) 18:12

(引用、ここまで)



このニュースの要点をまとめると次のようになります。

産道が狭くて通れず帝王切開でないと生まれてこない出産の割合が増えてきている
→「それは人類にとって不利な進化だというのになぜ増えてきているのであろうか
→「帝王切開の発展が産道を通って生まれるという人類本来の進化と異なる方向へ影響を与えてしまったのではないか

これは解釈の間違いによって事実が歪められる典型例であるように私は感じました。

おそらく産道が狭くなったというよりも、生まれてくる赤ちゃんの大きさが本来よりも大きくなったという解釈の方が正しいのではないかと思います。

というのも妊娠糖尿病があると胎児は巨大化しやすい事が知られていますし、

糖質には過剰に成長を促進させるドーピング的な側面があるという事を以前当ブログでも記事にしました。

産道はいつも通りなのに、それを通る胎児が母親の糖質過剰摂取により本来よりも大きなサイズになってしまった、だから正常分娩できなくなってしまったのではないかと私は考える次第です。

その観点がないとニュースの中での博士、どれだけ頭の良い人かわかりませんが、

強引な論理展開に気づくことなく「帝王切開が進化を変えた?」という変な結論に至ってしまうのだと思います。

ほとんどの人類が帝王切開を受けたというのならまだわかります。しかし帝王切開が増えているといっても全出産の少数派であることは間違いないでしょう。

それに糖質制限推進派産婦人科医の宗田先生は糖質制限での妊娠・出産に取り組むようになってから帝王切開の数が激減したという事を以前報告されていました。

以上の傍証より進化を変えたのは帝王切開ではなく、糖質の方だと私は考えます。


たがしゅう
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帝王切開

僕の孫は二人とも帝王切開で生まれました。
何故に帝王切開が増えているのかは疑問でした。
妻の友人もほとんどが帝王切開出産。

それは医者のエゴ以外の何物でもありません。
帝王切開で多額の収入があります。
加えて、お産の日時も予定できます。
つまり、お産は医者にとっては予定を組める流れ作業の一つ。
病院にとっては、見込める収入額を予測できる。

二人目の孫の帝王切開の予定日を二日遅らせて長女と同じ誕生日にしたいと願い出たら、
医者曰く「そんなことをしたら、生まれちゃうかもしれないよ。」
「・・・。」

正常分娩を嫌う医者とは何ぞや?
有名な大きな病院ですよ。

こういう医者達が増えて、過疎の村には医者がいない。
おかしな時代になったもんです。

産道を通らないで生まれて、
あげく、食べ物も、「あれはダメ、これもダメ・・・。」
アトピー予備軍ですな。
全部、無知な医者の言うがままです・・・。

「一億総白痴」という言葉が懐かしい・・・。

Re: 帝王切開

アラジン さん

 コメント頂き有難うございます。
 
> 何故に帝王切開が増えているのか
> それは医者のエゴ以外の何物でもありません。


 なかなか本質をついた御意見と思います。私も賛同します。

 帝王切開が本来なら生まれて来られない胎児を生まれさせる事ができるようにした功績は大きいと思いますが、
 それが拡大解釈されて、胎児を人質に医療の都合を押し付けられている現状は確かに少なからずあるように思います。

 基本は自然分娩をベースにおくべきだという考えを周産期医療に関わる者はもう一度見直す必要があると私は思います。
 陣痛や出産時の疼痛も後に母親のこどもへの愛情を深める意義がありますし、御指摘のように産道を通る事も腸内細菌の形成に一役買っています。全ては長い生命の歴史が積み重ねられて形成された大変良くできているシステムなのです。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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