サイアミディン

やせ薬でのやせ方

私は2年前までBMI40を越える高度肥満患者でした。

今までいろいろなダイエット法を試みるも長続きはしませんでしたが

糖質制限であっという間にこの壁を打破するという経験をしました。

それゆえ、今では「太らせる原因はカロリーではなく糖質である」ということを心から納得することができます。

一方で、世の中ではダイエット産業が盛んと申しますか、

やせたくてもやせられないという方の切実な思いにつけこんで、高額な商品や機会を売りつける商売が多いと思います。

糖質制限は「特定の商品に頼らなくても実践できる」というのが一つ信頼に足るところでもあります。

そんな中、医療の中でもやせ薬として有名な「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という漢方薬があります。

これは一体どうやってやせる効果を出しているのでしょうか?
それを示す一つの文献がございましたので、本日はそれを紹介させて頂きます。

~以下、抜粋~

メタボリックシンドローム・SAS(睡眠時無呼吸症候群)に対する防風通聖散の改善効果

監修 京都市立病院糖尿病代謝内科 部長 吉田俊秀

Science of Kampo Medicine 漢方医学 Vol.37 No.1 2013 p38-41

(前略)

防風通聖散は古くから体重の減量効果がみとめられている漢方薬だが、筆者らは防風通聖散の内臓脂肪減量効果とインスリン抵抗性改善効果を検討するため、プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験を行った。

耐糖能異常を伴う肥満女性患者81例を対象に、1200kcalの減量食と300kcal相当の運動を併用して、防風通聖散7.5g/日分3(n=41)またはプラセボ薬1.5g(n=40)を6ヶ月間投与した結果、防風通聖散群ではベースライン時に比べ、BMIや内臓脂肪量が有意に低下したが、プラセボ群では有意差は認められなかった。

24週後のウエスト周囲径は、プラセボ群に比べ防風通聖散群が有意に減少した(p<0.05)。さらに防風通聖散群では空腹時インスリン値、インスリン変動曲線下面積が有意に減少し、インスリン抵抗性指数が有意に低下した。

以上のことから、防風通聖散は内臓脂肪の減量効果に加えてインスリン抵抗性も改善し、メタボリックシンドロームの治療・予防に有効であることが推察された。

また、体重減少メカニズムについて、次のような仮説を立てて肥満マウスにより検討を行った。

防風通聖散の構成生薬のうち麻黄はエフェドリンを含有するが、エフェドリンは交感神経終末からノルエピネフリンの分泌を促進する。ノルエピネフリンは褐色脂肪細胞のアドレナリン受容体に結合するとcAMPを解して脂肪分解に作用する

一方、甘草や荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)は、交感神経系の持続活性化に関与するホスホジエステラーゼ(PDE)阻害作用を有している。通常cAMPはPDEにより直ちに分解されるが、甘草や荊芥、連翹のPDE阻害作用によりcAMP活性化が持続し全身代謝が長く亢進する。その結果、体重減量に至るというものである。

(中略)

褐色脂肪細胞は外気温と高い逆相関があり、冬が寒い地域で多くなるなどばらつきがあるが、白色脂肪細胞は環境にかかわらず等しく有している。防風通聖散は両方の脂肪細胞を活性化し、熱産生と脂肪分解を亢進して体重減量効果を発揮する漢方薬といえる。

~抜粋、ここまで~


なるほど、防風通聖散というのは

『交感神経の働きを強制的に高めて、褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞の両方を刺激して熱産生と脂肪分解を促すことでやせる効果を発揮している』ということのようです。

あと食事条件を同じにして防風通聖散を加えた群の方がやせたというこの研究結果ですが、

「1200kcal/日の食事と300kcal相当の運動だけでは、体重と内臓脂肪に有意な減少を認めなかった」というのも何気に重要な情報ですね。

糖質を摂取していればカロリーを制限していてもそんなにやせないということを示していると思います。

ただ私もこの防風通聖散、糖質制限を知る前に試したことがありますが、

実感としては「まったく効果なし」でした。

糖質過剰摂取している状況下ではせっかくの代謝亢進作用も焼け石に水なのだと思います。

それにやはり薬は薬です。不自然に交感神経の働きが高められているわけですから

防風通聖散にも当然副作用がつきものです。例えば、甘草の副作用によりむくみや血圧上昇が出る場合があります。

従って、一時的に使用するのはアリにしても、それこそ長く続けるのはよろしくないと思います。

やはり健康的なダイエットには糖質制限が一番です。


たがしゅう
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つむ◯

ツ◯ラの62番ですね^^
私も内服していますが、これによる体重減少は認めなかったように記憶しております。
便通が良くなったような気はしていました。
気のせいかもしれません。
その後、糖質制限を始めてからの劇的変化から比べると、何の役にも立ってなかったのかと思うべきですね。
実は今でも惰性で続けてますw
>それにやはり薬は薬・・・
>それこそ長く続けるのはよろしくない・・・
ですよね・・・
止めるきっかけが無かったんですが、これで止められそうです。
ありがとうございましたm(_ _)m

Re: つむ◯

どくたけ さん

コメントを頂き有難うございます。

そうですね。基本的に薬は極力一時的なサポートに留めるべきと私は思います(いろいろな事情や病状でそれが難しい場合も多々ありますが)。

肥満症治療剤

今度新しく肥満症治療剤がでるそうです。
1年間服用し、体重を平均2.78%さげた
(100kgで大体2,8kg)、HbA1cは0.58%、
TCは6.99%、LDL-Cは6.51%さげたそうです。
少なくともプラセボの方も体重は1%減っていました。
(他はあまり変わらなかったです)

こんなの薬といえるのでしょうか?
まだお値段もわからずですが、こんなものにお金を使うくらいなら、
江部先生の本を買って、
タンパク質の食材を買うのにお金を使う方がずっとましだと思いました。

Re: 肥満症治療剤

にこ さん
 
 いつもコメントを頂き有難うございます.

> 1年間服用し、体重を平均2.78%さげた (100kgで大体2,8kg)
> まだお値段もわからずですが、こんなものにお金を使うくらいなら、
> 江部先生の本を買って、
> タンパク質の食材を買うのにお金を使う方がずっとましだと思いました。


 まったく同感です.

 食事の問題に取り組まずして薬で何とかしようとするやり方は本末転倒だと思います.

漢方エキス剤の問題点

www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200130D1060_1_12/

ツムラ防風通聖散エキス顆粒
1日当たり7.5g内服

主剤:煎じ薬の乾燥エキス4.5g
基剤:3.0g中、大部分が乳糖

食前又は食間に服用:主剤の吸収を良くするためにだが、食前に内服すると、もろに糖質を吸収してしまう

主剤の漢方生薬にも、果実や草の根があり、糖質が含まれているはずです

Re: 漢方エキス剤の問題点

精神科医師A 先生

 情報を頂き有難うございます.

> ツムラ防風通聖散エキス顆粒
> 1日当たり7.5g内服
> 主剤:煎じ薬の乾燥エキス4.5g
> 基剤:3.0g中、大部分が乳糖


 結構馬鹿にならない糖質量ですね.せっかくの体重減少効果が大分弱まりそうです.

 漢方を飲みやすくするための乳糖なのでしょうが,糖質制限の観点でみると要らぬお世話ですね.
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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