サイアミディン

サプリメントは対症療法に過ぎない

糖質制限にサプリメントを用いれば最強とする風潮がありますが、

私ははっきり言ってその風潮にあまり乗り気ではありません。

確かにサプリメントを追加する事で体調不良が改善する症例は私も経験します。

しかしその一方で、いくら糖質制限にサプリメントを加えても改善しないという症例も確かに経験するからです。

その改善しない理由をサプリメント派の医師はサプリメントの組み合わせがよくないからとか、サプリメントの量が足りないからなどと考えますが、

本当にそうでしょうか。ここにおいても原因と結果をはき違えてしまってはいないでしょうか

いくらサプリメントの工夫をしたとしても、

もし栄養素の欠乏が原因ではなく、なにか他に原因があって起こっている結果だとすれば、

サプリメントの補充は対症療法でしかなく、根本原因は依然として放置されているという事になります。
この問題を考える上で参考になる記事が日本維持新報に載っていましたので、

本日はその記事からサプリメントで解決できない問題の原因について考察してみます。

日本医事新報 2017年 2/25 号 [雑誌] 雑誌 – 2017/2/27
質疑応答 臨床一般/法律・雑件
神経内科 腸内細菌学の展開とパーキンソン病との関係
【パーキンソン病では小腸内で病態に影響を及ぼす細菌が増殖しやすい】




(以下、p60より引用)

まず、パーキンソン病では健常者に比して、小腸の細菌増殖の頻度が高いと報告されています。

一般に小腸は胃酸による細菌の破壊、胆汁や膵液の分泌による細菌増殖の抑制、小腸の動きの速さ、

小腸筋層の細菌を取り込む働き、回盲弁による大腸から小腸への細菌流入の防止などにより細菌の増殖がしづらい環境となっています。

一方、パーキンソン病では消化管や回盲弁の動きの悪化、

さらには抗パーキンソン病薬やプロトンポンプ阻害薬の内服などが原因となり小腸で細菌が増殖しやすいと考えられています。

小腸の細菌増殖の臨床像は、下痢、腹痛、腹部膨満、体重減少、早期の満腹感、吐き気、便秘、排便障害、脂溶性ビタミン欠乏、ビタミンB12や鉄欠乏などであり、

パーキンソン病の症状と類似しているため注意が必要です。

(中略)

Scheperjansらは、パーキンソン病では健常者に比べてプレヴォテラ(Prevotella)属の出現率が有意に低く、

プレヴォテラ、乳酸桿菌、ブラジリゾビウム(Bradyrhizobium)、Clostridiales Incertae Sedis Ⅳの4種類の存在の違いと便秘の有無により、66.7%の感度と90.3%の特異度でパーキンソン病と健常者の鑑別が可能で、

エンテロバクターの多さが姿勢反射障害や歩行障害の重症度と相関するとも報告しています。

プレヴォテラは、腸内神経伝達物質であり、動物モデルではドパミン神経に対して保護的に働く硫化水素を放出し、

短鎖脂肪酸、ビタミンB1、葉酸などの合成に関わっていることから、

それらの減少がパーキンソン病の発症に関与する可能性が推定されており、治療のターゲットとなる可能性もあります。

(引用、ここまで)



パーキンソン病は私の神経内科医としての経験上、

糖質制限に対して治療抵抗性を示す代表的疾患です。

これの病態に脂溶性ビタミン欠乏やビタミンB12、鉄欠乏が絡んでいるという事のようですが、

では糖質制限をやってみて、それでも改善しなければビタミン補充と鉄補充を行えば問題は解決するでしょうか。

というよりもビタミンや鉄欠乏がパーキンソン病のような難治病態の原因だと言えるでしょうか。

そうではなく、小腸における細菌の異常増殖がその上流にある原因だとこの記事は述べています。

ビタミンや鉄を補充したところで、小腸の細菌増殖がコントロールできなければ、根本的な解決にならないということです。

さらには小腸の細菌増殖の上流にも原因があり、

それは消化管の動きが悪くなったり、消化管の動きを悪くする薬や胃酸の分泌を抑える薬を使ったりすることが小腸の細菌増殖を引き起こす事が指摘されています。

薬が原因ならそれを取り除けばいいですが、ストレスも消化管の働きを悪くします

いくらビタミンを補充しても、被疑薬を除いても、怪しいと思う細菌を抗生物質でやっつけたとしても、

心の問題が放置されていれば、そのパーキンソン病は治らないと思います。

突き詰めれば、そういう所に行き着くのです。


サプリメントは私の中であくまで対症療法です

その効果にかまけて、その裏に潜む病の本当の原因を、

見過ごさないようにしたいと私は思います。


たがしゅう
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腸内細菌とサプリ

糖質制限だけで腸内細菌叢が良くなれば良いのですが、すべての人はそれだけで良くならない気がします。腸内細菌叢が崩れてる現代人は本来は腸内細菌が作り出してくれるビタミンなどの栄養素が不足してしまうのかなと。 そのためにみんなサプリを頼ってしまうのではないでしょうか?そして腸内細菌に快適に住んでもらう環境(身体)を作ることが大事なのではと。。サプリとはそれまでの間の対処療法なのかと。でも、環境(身体)細胞レベルで綺麗に回復するにはサプリはやっぱり速効性があるのかなと実感するところがあります。
どうでしょうか?

Re: 腸内細菌とサプリ

なおき さん

コメント頂き有難うございます。

糖質制限で改善できない問題を克服するための一時的な手段としてサプリメントを利用するのはアリだと私は思います。
ただそれをずっと続けるのは本来の姿ではないというのが私の意見です。

実際にサプリメントを使う使わないは個人の自由と思います。

同感です

私もサプリメントは一時的なもので、日常的に栄養を摂る手段ではないと感じています。〜:不自然なものを感じています。

Re: 同感です

HK さん

 コメント頂き有難うございます。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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