サイアミディン

信念を持って長寿を成す

日本美術史に残る天才横山大観は、

明治元年(1868年)に生まれ、昭和33年(1958年)90歳でその生涯を閉じています。

これは当時にしてはかなり長命の部類に入るのではないかと思います。

死因は明記されていませんでしたが、昭和32年11月に腸障害、神経痛、急性気管支肺炎を併発し、

昭和33年2月26日午前0月51分に逝去という経緯であったようです。

興味深いのは、大観が89歳の最晩年まで決して実力衰える事なく素晴らしい作品を世に出し続けていたということと、

そして最晩年まで大観には喫煙習慣があったという事実です。
その事は最晩年の大観の写真がまさに喫煙をしている所を写していた事からうかがい知ることが出来ます。

どのくらいの本数だったかまではわかりませんが、写真に写る時までタバコを吸うくらいだから相当なヘビースモーカーだったとしても不思議ではありません。

しかも作品の精度が衰えていない事から察するにおそらく認知症もなかったのではないかと察します。

大観の食事の情報には調べる限りたどり着けませんでしたが、

普通に考えてその時代で糖尿病でもない人が糖質制限やそれに準じた食事法をしていたとは到底思えません。

つまり、横山大観は、タバコを吸い続け糖質制限もしていないのに、平均をかなり上回る健康長寿を達成したという事になります。

これは単なる偶然でしょうか。私にはそうには思えません。


以前、宗教家に長寿が多い理由について考察した際に、

心の在り様、言い換えればストレスマネジメントが長寿に関連する見解にたどり着きました。

もともと身体が備える抗酸化力にも個人差があるのかもしれませんが、

それにしても宗教家にそれが集中する事を思えば、長寿を成し遂げる心の在り様は人為的にある程度コントロール可能なのではないかと思います。

そして横山大観という人は、それを美術を通じて自力で成し遂げた人だったのではないかと私は想像するわけです。

しかもタバコの強烈な酸化ストレスをも処理できる程、大観のストレスマネジメントは優れていた可能性があります。

勿論、この話は私の想像でしかありませんし、証明することもできません。

けれどももしこれが正しければ、抗酸化物質を外から投与しなくても、

真っ当に生きていれば健康は後から自然とついてくるということを学ぶことになりますし、

なんでもかんでも薬やサプリメントに頼って身体をコントロールしようとするやり方に警鐘を鳴らす話にもつながります。

ストレスは波のある人生を生きている限り避けられないことです。

大切なのは、ストレスの量よりも、そのストレスをいかにして処理するかということ、

最期まで信念を貫いた横山大観の生き方から、そういう事を教わったような気がします。


たがしゅう
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喫煙と寿命

僕はタバコをやめてから喘息になりました。
タバコの煙は口から吸います。
当然、食道から消化管へと送られます。
長年の喫煙で腸の免疫細胞がタバコの煙(燃焼産物)に寛容になります。
その結果、大気汚染物質に対して気道粘膜上の免疫細胞が反応しなくなります。
逆に、癌細胞にまで寛容になってはいけませんが、喘息などのアレルギー患者は癌になりいくいというエビデンスがあれば、僕のこの仮説は証明されたも同然ですが・・・。
いかがでしょう?

Re: 喫煙と寿命

アラジン さん

コメント頂き有難うございます。

喘息があると癌になりにくいというエビデンスは存じ上げないのですが、
ストレスとアレルギーには副腎機能を通じて密接な関係があるという考えを私は持っています。

2015年2月2日(月)の本ブログ記事
「ストレスとアレルギーと副腎機能」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-562.html
も御参照下さい。

一つの仮説ですが、
アラジンさんの場合はもともと抗酸化能が高いか、ストレスマネジメントがうまくできているか、あるいは喫煙習慣そのものがストレスマネジメントになっていたかもしれませんが、
喫煙により交感神経と副交感神経とのバランスがうまく取れていた状態があって、そこに禁煙することで副交感神経優位になりアレルギーの一型である喘息を発症したという可能性があると思います。

じゃあ自分はタバコを吸った方が健康なのかと言われれば私はそうは思いません。タバコのストレスマネジメントがうまく行くかどうかは言ってみればリスクの高いギャンブルのようなもので、もっと安全なストレスマネジメントが他にあると思うからです。
そしてそれを見つける事が喘息の問題を解決する事にもつながると思います。

横山大観は、新井式糖質ZERO?!

たがしゅう先生
ご無沙汰致しております、モリモトです。

大観の食に関して、です。ウィキの「エピソード」に
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大観は大変な酒好きとして知られ、人生後半の50年は飯をほとんど口にせず(たまに食べる時も一粒二粒と数えるほど)、酒と肴(少量の野菜)だけで済ませていたという。飲んでいた酒は広島の『醉心』で、これは昭和初期に醉心山根本店の社長・山根薫と知り合った大観が互いに意気投合し、「一生の飲み分を約束」した山根より無償で大観に送られていたものだった。しかし山根は年に四斗樽で何本も注文が来るので驚いたという。代金のかわりとして大観は毎年1枚ずつ自分の絵を無償で送り、結果、醉心酒造に大観の記念館ができることとなった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


新井先生は「糖尿病合併症の本質:糖尿病性腎症はインスリンによる薬害であった」において、
https://www.youtube.com/watch?v=5mi1jURKt6A  53分~

Q.お酒はどうなんですか?
A.お酒はですね、液体だからいいだろうと・・・
        所詮液体ですからね。。。   と笑顔で応えておられます。

お茶目な新井先生です。凡人は・・・ですが、大観レベルになると、酒・タバコの害もスゴスゴと退散。


夏井先生は日本酒の糖質量を計算し、大観は「スタンダード制限」ではないかと言っておられます。
・「横山大観と糖質制限」というメールをいただきました。2012/11/02


甲田光雄先生も時々この話をされていました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓ 引用
しかし、反対論はいつでもあるものです。横山大観氏のごときは九十歳以上の長寿をまっとうしましたが、生前は酒豪で殆ど飯らしいものは食べなかったということです。また私の義兄などは生来病気らしいものとは何一つ縁がなく、若い時から大の甘党で、毎日のように饅頭やケーキ類を食べております。しかし、それによって健康を害ねる様子が少しもみられません。
  以上のような例をだして少食長寿論に反対する人がありますが、しかしこれらは特殊なばあいと知っておくべきです。大酒を飲み続けたり、甘いものを人並み以上食べていても長寿を得ることができるような人は、よほど体質がよく生まれついているのです。
  しかし、このような特殊な人のことを一般化して考えてはならないと思います。体質の悪い虚弱なものが、そのような真似をすれば、たちまち健康を害ねてしまうことは火を見るより明らかです。                  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――        ↑『宗教・医学一体論 断食・少食健康法』1980 194頁


ここでは大観以外の人にも言及されているからか「体質」で語っていますが、別の本だったか(講演か)で、大観にとって絵を描くことが<魂の喜びで~>云々という事も主張されていました。先生の言われる「心の在り様」「ストレスマネジメント」と同質の指摘だと思われます。
 20代半ばこの話を聴いて(知って)、いまと違いネットなどない時代、大阪にあった地酒に強い日本名門酒会の酒屋に『酔心』を買いに足繁く通ったものです。

★★★
はぐれキョウイク学徒としては、社会教育施設としての昨今の博物館(美術館も博物館です)問題について考えるところもあるのですが、大観と「酔心」の思い出が大きかったのでこちらを書き込むことにしました。

新天地での御活躍を祈念しております。   では失礼します。

Re: 横山大観は、新井式糖質ZERO?!

モリモト 先生

コメント頂き有難うございます。

夏井先生サイトでもすでに横山大観について取り上げられていたのですね。
コメントを契機に久しぶりに2012年代の夏井先生サイトを振り返って見ましたが、改めてものすごい情報量ととその質の高さ、さらには更新頻度に圧倒されました。しかしそれでもそれぞれの情報に完全ではない部分があり、さらにその不完全な所を互いに補おうとする集合知の重要性をも垣間見る事ができました。

横山大観のケースを単なる「体質」で終わらせるのは一種の思考停止だと私は思います。
そんなことを言い出したら糖質制限が合うも合わないも体質次第ということになり、なぜを追求する科学的態度とはかけ離れてしまうからです。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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