サイアミディン

筋肉痛のサインに素直に従う

先日ジムに行って久しぶりのトレーニングを行った際に、

翌日より強めの筋肉痛が襲い、それが1週間程度持続するということを経験しました。

いかに普段筋肉を使っていなかったかという事を反省させられる出来事でした。気を取り直して再びトレーニングを再開しようと思いますが、

この筋肉痛、専門家の間で「筋肉が損傷の修復中である事を示すサイン」という大雑把な見解は一致していますが、

これだけ身近な症状でありながら実は医学的にはその詳しいメカニズムが解明されておりません。

乳酸が溜まる事によって起こると考えられていた時代もありましたが、現在ではその節は否定的と考えられています。

筋肉痛に限らず、スポーツ医学の分野は「カーボローディング」をはじめとして眉唾な情報も多くあるように思います。
本屋に行けばそれらしい書物はいろいろとありますが、いわゆる成書と呼べるようなものが見当たりません。

ましてや糖質制限理論を絡めてきちんとしたメカニズムを説明しているものになれば猶更です。たいていの場合、既存の理論と組み合わせて説明しているものがほとんどです。

例えば、無酸素運動を行う場合は多少の炭水化物は必要という説明があります。

確かに先日私は無酸素運動を行う際の瞬発力や持久力が足りない事を実感しましたが、それは炭水化物を摂っていないせいなのか、久しぶりに筋トレをして単純に筋力が低下していた所に無理がたたっただけなのかの判別はまだできません。

本当に厳格な糖質制限をしていたら瞬発力の要るような無酸素運動を行うのに不利になるのでしょうか。

野生のチーターは肉食ですが、獲物を追いかけるためにわざわざ炭水化物を摂取していたとは到底思えません。けれど急なスタートダッシュに存分に対応できているように見えます。

やはり炭水化物が大事という観念の下に作られた理論なのではないかと思うのです。普段からケトン代謝に慣れている人ならケトン体でも瞬発運動に対応できるのではないでしょうか。

こうした一つ一つの疑問を、他人の説を鵜呑みにすることなく、自分の運動経験を通じて解決していかなければならないと思っています。


今後当ブログではそうした運動にまつわる糖質制限話も気づきがあり次第書いていこうと思いますが、

ひとつ早速思ったのは、筋肉痛がある時には、なかなか運動を再開しようという気にならないということです。

何を当たり前の事を、と思われるかもしれません。しかし、同じ構造を食事療法に当てはめてみればどうでしょうか。

筋肉痛で動けない時、これは食事で言えば食欲不振で食べられない状態に相当するでしょう。

食欲不振は言わば身体の防御反応で、食べない事で消化管に負担をかけないようにしたり、ケトン体の量を増やしたりすることで、合理的に身体の機能を回復させようとしています。

ところが食べられない人に対して医療者がとる多くの行動は、「何か食べやすいものを食べさせる」とか「点滴で栄養を補う」というようなことではないでしょうか。

それはあたかも筋肉痛で動けない人に対して、「それでも軽めの運動を続けさせる」とか「機械に乗せて強制的に運動させる」といった行為と同じようなものであるように思えます。

そう考えると、食欲不振がある人に無理矢理食べさせることの不合理さがよりよく見えてくるようです。

結局、筋肉痛にしても、食欲不振にしても、「今はただ休みなさい」という事を身体が教えてくれているのだと思います。チーターなどの肉食動物にとってもこのサインであれば極めて分かりやすく、それに難なく従う事ができると思います。

基本的には我々もこのサインに従うべきであって、

合理的な方法でない限りは余計な人為を加えない方が身のためではないかと私は思います。


たがしゅう
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No title

いつもいろいろな知識をありがとうございます。
私はほぼ毎日、ジョギング・テニス・筋トレなどしているのですが、糖質制限を始めてから気が付くと筋肉痛になった記憶がありません。フルマラソンなどの後は関節周辺に痛みが残りますが、かつて味わった筋肉痛とは違うものです。また以前、筋肉痛を経験していたころは、それでも体を動かして温まってくると筋肉痛を感じなくなっていたように覚えています。それはなぜなんでしょう?まだまだ分からないこと多いですよね。

Re: No title

kentaro hiroshima さん

 コメント頂き有難うございます。

 私の場合は糖質制限をしていてもしっかりとした筋肉痛が襲ってきました。
 筋肉痛を組織修復のための炎症反応の一環と捉えれば、ケトン体がその反応を速やかに終息させる役割を持っている事は想定されます。ただ私のように運動不足からいきなりのトレーニングをしてしまった場合は、流石にそれでは抑えきれないくらい強い炎症反応が起こってしまうという事なのかもしれません。

No title

身体を動かすのは好きですが、最近はなにもしていません^^;
冬はスキーをしますが、糖質制限を始めてからシーズン初日の筋肉痛をまったく感じなくなりました。スノーボードをする息子(19歳)も同様で、うれしい副作用?でした。

うちでは猫を飼っていますが、猫が筋トレしないのに身軽なのを見て(笑)、人間にだって筋トレは必要ないんだろうと思ってますが、日常生活で筋トレが必要ないほどの運動量には達していないから、何かしないとダメですよね・・・やっぱり。

Re: No title

かんな さん

コメント頂き有難うございます。

もともとデフォルトの日常生活動作をこなす分には猫のごとく取り立てて特殊運動を追加する必要はないと思いますが、
何かしら現状を打破する目的があれば、追加運動は考慮してよい選択肢の一つだと思います。

No title

この記事によると、有酸素運動を長期間続けていると、エネルギーとしての糖質に依存しない体質に変わっていくとのことです。

http://gigazine.net/news/20170224-how-hike-affect-body/

また、普通の現代人に瞬間的に爆発的な力を出すような瞬発力が必要なのかは疑問ですが、無酸素運動で筋肉を肥大させると取り込めるグリコーゲンの量も増えて、血糖値が上がりにくくなるのではないかと、これは素人の妄想です。

Re: No title

たにぐち さん

コメント頂き有難うございます。
また参考になる情報を頂き有難うございます。

理論的には糖質依存度の減少も、筋肥大による血糖値の安定化も両方ありそうですね。
その理論が実際に正しいかどうかの検証をこれから積み重ねていく必要があると思っています。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院に勤務しています(下段にリンクあり)。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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