サイアミディン

治療の選択肢を与え続ける

新しい病院に移って湿潤療法を行う機会がかなり増えてきました。

ただいわゆる急性期病院ではないので、外傷したばかりの人がそのまま受診するというケースは少なくて、

他所の急性期病院で従来治療を受けた患者さんがリハビリ目的で当院へ転院して来て、傷の治療を同時に引き継ぐという形で診る機会が多いです。

十数例の症例を診てきて、前医が行っている創傷治療で湿潤療法を取り入れているケースは残念ながら皆無です。

中にはすでに植皮が行われているケースがあり、網目状の跡が創面に色濃く残っているケースも見受けられます。

湿潤療法でリカバーできる場合はまだいいですが、植皮後の傷はその後どれだけ湿潤療法を完璧に行ってもきれいに治らない事を私は知っているので、

その傷の治療を引き継ぐ時には何とも言えない無念の想いが致します。
糖質制限よりも啓蒙が大分先行している湿潤療法でさえ、まだまだ普及が十分だとは言えない状況です。

私にできる事は何だろうかと考えますが、

やはり今いる場所で地道に湿潤療法の正しさを広めていき、

近隣の地域の中で湿潤療法の評判を広め、住民の方々の知識を持ってもらい急性期病院で消毒・ガーゼ、植皮などの従来治療を受けそうになってしまったら、

駆け込み寺のように湿潤療法を受けることができる場を提供できるようにすることなのだろうと思います。


しかし、無念だと言っても、ひと昔に比べればまだ良い方です。

今でも自分の頭で考える力さえあればネットで調べれば従来治療から逃れることを自ら決断できる時代になりましたから。

無念な想いを感じるのは、申し訳ないですが、自分の頭で考えることなく、医師を盲信してしまった患者さん達です。

そういう思考パターンの方は、たとえ今回運よく湿潤療法を受けられたとしても、

また別の機会で同様の出来事に遭遇した場合に、医師の言いなりになってしまう可能性は十分に考えられます。

ある意味、自分の身体の事を他人に丸投げにしてしまうことによる自己責任が問われる時代になったようになったとも言えると思います。

創始者の夏井先生が湿潤療法を広め始めた時代の事を考えれば

それはもう孤立無援で普及していくのに相当大変だったであろうことは想像に難くありません。

それでも確かな理論と実績に基づいて、負けじと広め続けて頂いたことで、自分で治療を選べる今の時代があると私は思います。

その意味で、先駆者の偉大さは筆舌に尽くしがたいものがあります。

先駆者の偉業に最大限の敬意を払いながら、

自分が正しいと思う道を、あせらずゆっくりと切り開いて行きたいと思います。


たがしゅう
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No title

たがしゅう先生

「お医者さんの言う通り」で身体のすべてを医師任せにしてはいけない事を糖質制限を通して学びました。身体の事だけでなく、その延長線上にあるのが「知識をすべて鵜呑みにしない」という事です。これは先生のブログから学んだ事です。

傷は絶対に消毒しない。血糖値を上昇させるのは糖質。脂質は悪者ではない。私にとっては当たり前の事ですが、従来の「常識」に疑問を持たないヒトにあっては話が通じませんね

くんだみえ

Re: No title

栗田三江(くんだみえ)さん

 コメント頂き有難うございます。

 すべてを鵜呑みにしないということは、裏を返せば自分の考えでさえも疑い続けることです。
 たとえ自分が常識と考える事柄でも流動性を持って変化しうるという事をわきまえておく事が大事だと私は思います。

鉄分

たけしの医学で鉄分不足についてやっていました。アイアンフィッシュという鉄を使うとかサプリメントとか どのくらいの影響があるのか。足し算ではなく引き算でいきたい思考ですが、疲れやすいとか冷え症とかに効くと言われると、正直迷ってしまう自分がいます。
完全な断糖をしており、食事も1、5食です。肉魚卵をたっぷりと食べています。
こうゆう情報をどう受け止めていいのか、ただ単に運動不足ですので筋肉が足りないだけなのかもしれないですし、鉄分とか そういったものの影響なのかなぁと思ってみたり。ビタミンⅭも肉食では足りないとされてますが、サプリメントや野菜ではとっていません。そういうの言い出すとキリがない気がして。
なのに、テレビでこうゆう情報みると ふと迷ってしまいます。どう思いますか?

Re: 鉄分

まる さん

コメント頂き有難うございます。

いろいろな考え方があると思いますが、私はマイナスの発想を大事にしています。
従ってアイアンフィッシュもサプリメントも基本的に利用しません。

糖質制限をベースにしますが、体調さえよければ細かい栄養素の多い少ないは気にしません。また栄養素がうまく吸収できない時はサプリを追加するのではなく、消化管機能を回復させるために減食を考慮します。それが私の考え方です。

返信

たがしゅう先生コメントありがとうございます。
そうですよね。
疲れやすいなどがあり、つい食べ物、栄養の足し算思考になってしまったのですが、キリないですしね。
納得です。私も賛同します。
たまに不安になってしまったりするのですが、先生のコメント読むと 基本に戻ってこれます。ありがとうございました。

うがい薬について

 うがい薬に使われているポピトン・ヨードは、常在菌を減らし喉の細胞を壊すため、かえって風邪のウイルスにかかりやすくなります。

 私はそれで勤務病院の薬剤部に依頼してアズノールのうがい薬を置いてもらいました。ところが他の医師はほとんど無頓着で、あいかわらずポピトン・ヨードを処方しています。消毒薬がよくないことは、まだまだ認識されていないです

Re: うがい薬について

精神科医師A 先生

 コメント頂き有難うございます。

 医学的に正しいかどうかではなく、慣習的に行われている医療行為って消毒以外にもあるように思います。
 長年の慣習を打ち破るのは至難の業ですが、理論的根拠を味方に地道に伝えていくより他にないのでしょうね。
プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

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