サイアミディン

小さな声を聞く、小さな声を上げる

文庫X(エックス)と呼ばれる本を読みました。

岩手県盛岡市のさわや書店フェザン店の書店員さんの発案で、

タイトルをあえて隠してその代わり「読んで欲しい」という趣旨の直筆の紹介文をブックカバーに書いて売るという斬新な方法で、

そのまま売っていたら興味を持たれなかったであろう客へ興味を持たせる事で一躍話題となった本です。

売りたい気持ちに反してあえてタイトルを隠す、でもかえってそれが興味をそそるという逆転の発想。私もこの紹介文に興味をそそられて買ったクチです。

文庫本にして約500ページと、読み切るのになかなか時間のかかる作品ではありますが、一旦読み始めると内容に引き込まれてどんどん先に読み進めたくなる内容の本でした。紹介文通りでした。

当初、この紹介文のセンスの良さをブログのネタにしようかなと思って読み始めた本でしたが、

それ以上に本編の内容に考えさせられる所が多かったので、本編から私が学んだ事を書くことにしようと思いました。

ただ内容を読んでみればわかりますが、書店員さんが表紙を隠した本当の意図というのがしみじみと伝わってくる本編の内容であり、

この本をたくさんの人に読んでほしいと考えた書店員さんの気持ちを思うと気軽にネタバレしたくない気持ちになってくるのです。

続きを読む»

仕事の目的を幅広く捉える

あけましておめでとうございます。

私がブログを書き初めて4回目の元日を迎えました。

毎年元日は心機一転、一年を始めるにあたってふさわしい心構えが学べる本を紹介するようにしています。

今年まず紹介したいのはこちらの本です。



目覚めよ、薬剤師たち!―地域医療を支える薬剤師の使命 単行本 – 2013/11
鶴蒔 靖夫 (著)


医薬分業を推し進める先駆け的存在となった「ファーマシィ」という株式会社の武田宏(たけだ ひろむ)社長の理念が、批評家の鶴蒔靖夫(つるまき やすお)氏によってまとめられた一冊です。

武田社長の考え方は私の解釈で端的に表現すれば、「薬剤師の本来の在り方を思い出せ」というものです。

続きを読む»

今という時間を大切に生きる

「構造」に注目して考えるという記事を書きましたが、

この考え方の元となったのは、おなじみNHK教育「100分de名著」という番組で今月取り上げられている名著、

フランスの民族学者、クロード・レヴィ=ストロースの『野生の思考』です。



相変わらず良い本をわかりやすく紹介してくれます。

レヴィ=ストロースが唱えた構造主義というのはかなり深い考え方でして、

自然界で見られる変化は、植物も動物も、あるいは宇宙の変容そのものも同じ構造を持っているという事を主張したものでした。

続きを読む»

病気という名の色眼鏡で見ない

糖尿病であろうとなかろうと糖質制限をすべきだという考えを書きましたが、

この事は病気という枠組みの中で私達が無意識に偏った見方をしているかもしれないという事実に気づかせてくれます。

時々同じ糖質制限実践者の中でも、「私は糖尿病だから生きるために糖質制限をしなければいけないのであって、ダイエット目的で軽く考える人とは訳が違う」という考え方の人と出会うことがありますが、

私はそんなに気負う必要はないのではないかと思います。

なぜならば、糖質を摂取すればデメリットを受け、糖質を制限すればメリットを得るという意味では、基本的には皆共通しているからです。

血糖値というものさしがあるからその糖質の害が見えやすいだけであって、糖尿病ではない人も糖質摂取の害は見えないだけでしっかりと受けてしまっていると思います。

むしろ糖質の害が見えやすいという事をメリットに思うことすらできると思います。

続きを読む»

こどもの糖質制限に関する現場報告

専門家に任せるという行為は、楽ですがリスクをはらむ行為です。

医療に関してはその傾向が特に顕著です。なぜなら任せる中身が他ならぬ自分の健康であるからです。

自分以上に自分の身体を理解できる立場にいる人間はいません。だから私はどれだけ医学知識の豊富な医師が診ようとも、

3分や5分、せいぜい10分の診察でその人の健康の全てを理解するなど到底できないということ、

そして医師に頼るのではなく、医師を利用して自分主導で健康管理していく事がこれからの医療には大切だと主張してきました。

要するに大事な事は専門的な知識よりも、事実をありのままに観察することです。これには時間と常識にとらわれない心が必要です。

この考えをこどもの健康に応用すればどうすればよいでしょうか。

続きを読む»

賢者は歴史に学ぶ

病に対する本質的アプローチを意識していたナイチンゲールと同様に、

もう一人そのようなアプローチを実践していた人物がいました。西式健康法の創始者、西勝造先生です。



原本・西式健康読本 (健康双書ワイド版―食と健康の古典) 単行本 – 2003/10
西 勝造 (著), 西 大助 早乙女 勝元


西先生は医師ではありませんが、自身の病の経験から様々な健康法の実践を経て独自の健康法を確立された方です。

その理念は断食で有名な甲田光雄先生へと受け継がれていますが、この西式健康法の考え方がよく病の本質を捉えていると私は思うのです。

続きを読む»

天才と病人は紙一重

最近、ものすごく興味深い本を読みました。



天才の病態生理―片頭痛・てんかん・天才 単行本 – 2008/12
古川哲雄 (著)


著者の古川先生は神経内科の大御所の先生ですが、

この本の文章はとにかく凄くて、並みの神経内科医ではとても書くことができません。

というのも自論を展開するための根拠論文が膨大かつ1800年代~2000年代まで幅広く引用され文章が書かれているのです。

その文献にたどり着き解読するだけでも大変な努力を必要とすると思いますが、それらをすべてまとめて一冊の本に仕上げる作業には想像を絶するものがあると思います。

そんな古川先生がこの本の中で主張しているのは「天才と片頭痛・てんかんの間には脳の異常興奮という共通病態がある」という事です。

続きを読む»

難病を克服するメンタリティ

手術、抗がん剤、放射線といった3大がん治療に対し疑問を感じている私は、

3大治療以外でがんを治そうとする「代替医療」に強い関心を寄せています。

先日、がんサバイバーの寺山心一翁(てらやま しんいちろう)さんの御講演を聞く機会がありました。



寺山さんは1984年に右腎臓がんが発覚し、右肺などに転移しているいわゆる末期がんの状態にあったそうですが、

そこからそれまでの生き方や考え方を大きく変えて、がんを自然治癒に導いたという体験を持っておられる方です。

続きを読む»

宗教家の長寿の秘訣

先日、鎌倉時代の前半に浄土真宗を開いた親鸞の言葉をその弟子がまとめた「歎異抄」という書物を取り上げ、

親鸞が仏教界において「常識を疑う事の重要性」を説き、パラダイムシフトを起こした先駆者であり、90歳という長命の人生を生きていたという史実を紹介しました。

鎌倉時代の平均寿命としては人骨などからの推定値で24歳とされているようですが、当時は乳幼児死亡率も高かった事が予想されますので、

たいていの人が24歳前後で亡くなったという意味ではないとは思いますが、それを差し引いて考えても90歳というのは当時にしては相当長生きです。

しかもこの時代の主食はやっぱり穀物であったでしょうし、近代医学もまだ存在していない状況でした。

一体親鸞が長生きできたコツは何だったのであろうか、と考えていたこのタイミングでどんぴしゃりの本と出合いました。


なぜ宗教家は日本でいちばん長寿なのか 単行本 – 2016/4/27
島田 裕巳 (著)


続きを読む»

苦難を乗り越えるために

当ブログでは「自分で考える力」に重きを置いています。

先日は科学、哲学、宗教は「人間とは何か」について考える共通点がありながら、

それぞれにスタンスの違いがあり、永遠に考え続けるという哲学のスタンスに私は強い共感を覚えるという内容を記事にしました。

また糖質制限はなぜ効くのかという理屈を論理的に説明できるので科学的です。

科学というツールは揺さぶられようのない厳然たる事実として存在するので、何かを考えていく時に非常に役に立ちますし、他者へ説明する時の説得力もあります。

一方で事実はどうであれ、信じる所から出発する宗教に関しては「自分で考える」という視点と逆行している感じがするので、

3つのアプローチ法の中でも最も消極的なイメージを持っていました。

しかし、先日とある宗教書の存在を知ってから宗教に対する私の捉え方が変わりつつあります。

続きを読む»

プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
漢方好きの神経内科医です。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
これまでの訪問者数
FC2アフィリエイト
メールフォーム
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR