サイアミディン

やせ体質の本質とは

前回はやせ型体質の方の糖質制限を考える際に、

消化管→筋肉→肝臓

の流れを想定すべきという私見を述べました。

なぜそう思うかと言えば、筋肉量が低下したやせ型体質の人の多くは、

糖質制限中に脂質・タンパク質を増やすように指導しても、なかなか増やしきれないという話をよく聞くことから、

大量の食物を一度に消化吸収する能力が落ちている事が想定されるからです。

それに消化管機能が低下しているからこそ筋肉の材料となるタンパク質(アミノ酸)が吸収できず、

結果的に筋肉量が少なくなるという流れも見えてきます。

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筋肉の機能低下はやがて肝臓へ

前回は「筋肉量が少ないとなぜ糖新生能が低くなるか」ついて述べました。

とは言え、糖新生の主戦場は肝臓です。本日はそのやせ型体質の人の中で起こっている現象を肝臓目線で考えてみたいと思います。

肝臓にとって筋肉は糖新生の材料を提供してくれるサポーターです。

そのサポーターが弱っている状況は、たとえるなら株主が少なくなった株式会社のようなものです。

株式会社は株主から集めたお金を元に会社を運営している構造となっていますが、

株主が少なくなれば、当然会社の資金繰りが難しくなってきます。

そうすると会社は少ない資金で何とか現場を立ち行かせるように今まで以上に頑張ります。これが糖新生機能の亢進です。

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糖質摂取では根本解決にならない

やせ型体質の人が糖質制限を行っている際、久しぶりの糖質摂取によって起こるとされる頭痛、めまい、脱力など、

俗に「糖質酔い」と呼ばれる症状に対し、それは糖質制限によって糖代謝が錆びついたためであり、糖質制限を長期に継続する事はよくないとする論調があります。

この状況と非常に類似している病態として「アセトン血性嘔吐症」があります。

周期性嘔吐症とか、自家中毒症などとも呼ばれますが、この病気もやせ型のこどもに起こりやすく、なおかつ治療法がブドウ糖補給です。

いずれも起こっている現象は「機能性低血糖症」、すなわちストレスや糖質摂取などの血糖上昇イベントに対して糖新生機能の不十分さなどを背景にインスリンが効きすぎる事で起こる一過性の低血糖症状だと思います。

ちなみに自家中毒の原義は、「自分の新陳代謝で作り出した物質で中毒症状を起こす事」で尿毒症や糖尿病性昏睡などの病態も広い意味で自家中毒と呼ぶそうです。

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胃下垂は先天的か、後天的か

本日は胃下垂について考えてみたいと思います。

胃下垂とは、その名の通り「胃が正常な位置よりも下まで垂れ下がっている状態」の事をいいます。

胃下垂
(画像はこちらのサイトより引用させて頂きました)。

胃を支える筋肉や脂肪の少ないやせ型で長身の人」に多いとされ、高度のやせ型体質の人には割とセットで観察される現象です。

ひと昔前の胃の検査がバリウムで行われた頃は、この胃下垂が偶発的に見つかることも多かったですが、

今は胃内視鏡検査が主流となって指摘しにくくなったことや、それが見つかったからといって西洋医学的には特別治療対象とも考えられていないために特に気にも留められていない状況ではないかと思います。

ちなみに東洋医学的には胃下垂や胃アトニー(胃壁の筋肉の緊張が低下し、胃の働きが鈍くなる状態)は立派な治療対象であり、対処するための治療選択肢がいくつかありますが、

今回はその話ではなくて、胃下垂が先天的か後天的かという事について考えてみたいと思います。

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糖質への渇望感を抑える方法の個人差

前回に引き続き、鈴木功先生の本の「糖質制限継続のデメリット」と題する部分をさらに読み進めてみますと、

糖質制限は糖質中毒からの離脱には良いが、糖質制限をしている限り糖質依存はなくならない」との記載が出てきます。

依存と中毒は混同されがちな言葉ですが、依存とは「やめられない心」、中毒は「許容量を超えた状態」を指します。

はたして鈴木先生の真意はどういう所にあるのでしょうか。

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糖質酔いはなぜ起こるか

鈴木功先生が提唱される間欠的ファスティング+糖質選択の理論では、

肥満の原因は体重のセットポイントを上げるインスリン抵抗性、及びビタミンやミネラルなどの微量栄養素の不足にも関わらず脳においしいと誤認させる精製炭水化物や加工食品であると指摘され、

インスリン抵抗性を改善させるために低インスリン状態となるファスティングを間欠的に取り入れることを勧められています。

ただ食事に関しては精製炭水化物や加工食品の代わりに食べるべきものは、栄養密度の高い野菜や豆類、雑穀などの糖質を含む食品を摂取することを推奨されています。

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鈴木 功 (著),‎ 鈴木 睦美 (その他)


一時的に糖質制限食にしてもよいが長期的には続けるべきではないというのが鈴木先生のご意見です。

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なぜ糖質制限不適応者が女性に多いのか

私自身は糖質制限指導していて糖質制限をきちんとやってくれない人はたくさんいますが、

糖質制限を始めたせいで体調が悪くなったという人にはほとんど出会ったことがありません。

その数少ない経験の中で不調を訴えた人は神経症的であったり、執着心が強かったりするいわゆるストレスマネジメント下手な人達でした。

そしてそれらの人達は皆女性で、ネットでの情報で把握する限りでも糖質制限で体調不良を訴える人には女性の割合が多い印象を持っています。

統計学的に検証したわけではありませんので、あくまで私の印象でしかありませんが、

もし女性に糖質制限での体調不良者が本当に多いのだとすれば、それは一体何故なのでしょうか。

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やせ体質でも糖質制限に適応できる

当ブログでは昨今のLow T3症候群を絡めての糖質制限批判に対して、

やせ型体質の方は一般的にストレス耐性が低い人が多く、中には高糖質食から糖質制限食への急激な代謝変化に適応しにくい人も含まれるので、

糖質制限を契機に脱力などの症状を伴い、検査値でLow T3症候群を呈する状況はありうるという事を指摘し、

その一方でLow T3症候群自体はストレスや飢餓などを契機に、エネルギーがうまく利用できない状況を調整してエネルギーを利用しやすくするための適応反応であることを示してきました。

ただしそのストレスフルな状況が続いたら警告期(一時的消耗疲弊)→抵抗期(過剰適応)→疲憊期(消耗疲弊)の流れを通じて病状が悪化していく可能性があるので、

やせ型で脱力を伴うLow T3症候群を呈する人はストレスを感じ過ぎないよう一旦食事を糖質摂取に戻して、改めてペースを見直して糖質制限に取り組んでみられる方法をお勧めしています。

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量の問題と質の問題

Low T3症候群の原因が「摂取エネルギー不足」と語られるきらいがありますが、

それは厳密な意味で正しいと言えるのかという疑問について本日は取り上げたいと思います。

エネルギーと言えば、生化学を勉強している人であれば、ATP(アデノシン三リン酸)という物質を思い浮かべると思います。

ATPが分解されADP(アデノシン二リン酸)とP(リン)へと変わった際に生まれるエネルギーが様々な生命活動に利用され、

しかもそれはすぐになくなる物質なので溜めておく事ができず、生物の中ではATPの分解と合成が絶えず繰り返されているというのがエネルギーにまつわる共通認識ではないかと思います。

すなわち摂取エネルギー不足とは、細胞レベルで言えば「ATP不足」という事になりますが、

Low T3症候群を呈する時、必ずしもATPが足りていない状態となっているでしょうか?

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DOHaD仮説と変え難い体質

ここしばらくの記事での考察を積み重ねてきて、

ストレスが加わり続ける事によって起こる(1)警告期→(2)抵抗期→(3)疲憊期という一連の病的反応プロセスに対して、

肥満体質は見た目が悪い一方でストレスに対して抵抗しやすく、うまくマネジメントできないと過剰適応病態に発展しやすいということ、

やせ体質は見た目は良い一方でストレスに対して抵抗しにくく、うまくマネジメントできないと消耗疲弊病態に発展しやすいということ、


そのような構図がある事が私の頭の中で浮かび上がってきました。

一方でこの体質というものはなかなか変え難く、人生における運命共同体のようにも思える存在です。

糖質制限により比較的大きな代謝変化を身体にもたらしたはずの私でも、糖質制限による減量効果は一定効果に留まり依然として肥満体質のままです。

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プロフィール

たがしゅう

Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
漢方好きの神経内科医です。
南鹿児島さくら病院にいます。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。

南鹿児島さくら病院では職員を随時募集中です。
詳しくはホームページhttp://www.nissyoukai.or.jp/
を御覧になって下さい。
見学申し込みもお気軽にどうぞ。

※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。

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