よくないと思うこと

        

エビデンスレベルが高くても不完全

category - よくないと思うこと
2019/ 06/ 16
                 
前回、世の中の出来事の因果関係を証明するのは難しいということを書きました。

しかしながら医学あるいは経済学は、その困難さを統計という科学的な手法を用いて乗り越えてきたので、

これらの学問が「因果推論」と総称されるその手法で検証された二つの関連性がある現象は「科学的に因果関係ありと証明された」と考えてよいので、

それらの信頼できるデータを元に世の中の様々な問題を考えていくべきだというのが、前回記事で紹介した「原因と結果の経済学」という本の要旨でした。

こちらの本では前回紹介した「ランダム化比較試験」という方法以外にも、「自然実験」や「擬似実験」、あるいは「回帰分析」という手法を用いて因果関係を推測できるということが書かれていました。
                         
                

続きを読む

                 
        

医学の進歩が歪み続けている

category - よくないと思うこと
2019/ 05/ 17
                 
白血病の新薬「キムリア」が3349万3407円で保険収載されたとのニュースが流れてきました。

この薬は「CAR-T細胞療法(chimeric antigen receptor-T cell therapy)」という新しいがん免疫療法の一種で、

CD19という抗原だけを異常に認識して攻撃するように自身の免疫細胞の一種であるT細胞に遺伝子改変を起こし、

CD19抗原をもつがん細胞が異常に増殖するタイプの難治性の白血病(B細胞性急性リンパ節白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)に効果を示すという治療だということです。

この薬の薬価の高額さはさておいても、いくら高くとも当該の白血病患者さんにとっては希望の光と感じられるのであろうということは理解できても、

それでも私にとっては、このニュースは医療の進歩が大変憂慮すべき方向へと進んでいると感じられるニュースでした。
                         
                

続きを読む

                 
        

患者の希望に答えられない医療

category - よくないと思うこと
2019/ 01/ 08
                 
SNSを見ていると、次のようなブログ記事の情報が目に入ってきました。

「外科医の視点」
医者と患者はなぜ分かり合えないのか?4つの原因を分析
2018/08/18


書かれたのは外科医の山本健人先生で、執筆業務も盛んになさっている方のようです。

医者と患者が分かり合えない理由として以下の4つが考えられるという主張が展開されています。
                         
                

続きを読む

                 
        

間違った科学的思考に注意

category - よくないと思うこと
2018/ 08/ 23
                 
科学が私達にもたらした恩恵には大きなものがありますが、

使い方を間違えると大きなしっぺ返しを食らうという事は認識しておくべきではないかと私は思っています。

特に医学・医療の世界での「科学」という言葉の使われ方は大きく間違っていることが多いので注意すべきです。

「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本を書かれた、

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授の津川友介氏が次のような記事を書かれています。

新常識!やせるには「カロリーの質」が大切だ
科学的根拠のある「ダイエット食」とは
津川 友介 : カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授
                         
                

続きを読む

                 
        

現代医療はすでに破綻している

category - よくないと思うこと
2018/ 08/ 16
                 
某医科大学での入試の際に女性の受験生への一律減点操作が行われていたというニュースが話題になりました。

これに対する否定的な見解が大勢を占める中で、現場の医師から「必要悪だ」と擁護する意見も耳にしました。

聞けば、一般的に運動能力が男性より低い女性医師は、救急当直などで24時間以上勤務が常態となる過重労働に耐えられなかったり、

あるいは出産・育児の関係で仕事に穴を開けざるを得ない状況があり、男性医師と女性医師は実質的に同等ではないと。

もしも女性医師が多くなれば現場は回らなくなり、さりとて正直に女性合格者は3割に絞ると公表すれば医学部を目指す女性が大幅に減ってしまう。

だからこうした合格者数の男女比操作は秘密裏に暗黙の了解で行われるべきで現場の労働環境を守るためにも追及すべきではないというご意見です。

私はこの意見は何重にも間違っている意見だと思います。
                         
                

続きを読む