モイストケア

        

「なつい式湿潤療法®」の治療経験から感じたこと

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2019/ 06/ 06
                 
私は内科医ですが、今いる病院では「なつい式湿潤療法®」で傷の治療も行っています。

それまでは脳神経内科医として勤務していた別の病院では傷の治療に遭遇する場面は当直の時くらいで、

傷をみたとしても夜間で診療した1回切りで、その後は病院のシステム上、外科で診てもらうよう任せざるをえなかったりして、

自分でそのまま最後まで患者さんの傷の治療に携わるという機会は少なかったのですが、

今の病院に勤めて2年余り、ようやく自分で責任をもってその後の傷の経過を追いながら診療を行えるようになりました。

本日は「なつい式湿潤療法®」でまともに傷の治療に携わったこの2年間を少し振り返ってみたいと思います。
                         
                

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ラップ療法でうまくいかない例の検証

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2017/ 10/ 20
                 
自院の褥創回診を担当し始めて半年が経ちました。

鳥谷部俊一先生考案の開放性ウェットドレッシング療法(Open Wet-dressing Therapy:OpWT)、通称「褥創のラップ療法」を取り入れることによって、

他院で治癒を諦められていたにも関わらず、治癒・寛解に持ち込んだ例も数例あります。

ただ、正直言って全例ラップ療法でコントロールできたわけではありません。

とある仙骨部の巨大褥創患者の寝たきり患者さんで穴あきポリエチレン袋+紙おむつを組み合わせた被覆材を使っていましたが、

ある日を境に褥創が日毎に悪化していく経過を辿るという出来事がありました。
                         
                

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治療の選択肢を与え続ける

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2017/ 06/ 08
                 
新しい病院に移って湿潤療法を行う機会がかなり増えてきました。

ただいわゆる急性期病院ではないので、外傷したばかりの人がそのまま受診するというケースは少なくて、

他所の急性期病院で従来治療を受けた患者さんがリハビリ目的で当院へ転院して来て、傷の治療を同時に引き継ぐという形で診る機会が多いです。

十数例の症例を診てきて、前医が行っている創傷治療で湿潤療法を取り入れているケースは残念ながら皆無です。

中にはすでに植皮が行われているケースがあり、網目状の跡が創面に色濃く残っているケースも見受けられます。

湿潤療法でリカバーできる場合はまだいいですが、植皮後の傷はその後どれだけ湿潤療法を完璧に行ってもきれいに治らない事を私は知っているので、

その傷の治療を引き継ぐ時には何とも言えない無念の想いが致します。
                         
                

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不完全な湿潤療法

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2017/ 05/ 12
                 
現在私は今いる病院で糖質制限や湿潤療法の普及に努めています。

先駆者の夏井先生の御尽力のおかげで、少なくとも私の周りでは湿潤療法という言葉を聞いたことがないという方は大分少なくなっている印象です。

その一方で湿潤療法の理解が中途半端で、不完全な湿潤療法を行ってしまっているケースも思いのほか多いようです。

中でも一番多いのは湿潤環境を保てど、有害な外用剤を一緒に使ってしまっているケースです。

具体的には、ゲーベン、アクトシン、イソジンシュガー、カデックス、ソフラチュール、ユーパスタ、フィブラストスプレーなどの外用剤です。

せっかく湿潤環境を保つ被覆材を使用していても、そうした有害な外用剤を使うのであればその効果は差し引きゼロになる可能性があります。

おそらく、何も塗らないと感染するのではないかという医療者に何となくある不安が、そうした状況を作りだすのではないかと思います。
                         
                

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シンプルな治療、それでも治る

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2017/ 04/ 24
                 
新しい病院での褥瘡回診を担当させて頂く事になりました。

10年前に私が院内に広めた褥瘡のラップ療法が今でもきちんと行われており、

褥瘡の処置に関しては近隣の病院と比べて定評がある状態になっているそうです。

褥瘡回診に際しては、夏井先生がおそらく世界一シンプルな褥瘡治療のフローチャートを作っておられたのでそちらを参考にさせて頂きました。

外用剤はワセリン以外一切使わない。発赤のみの褥瘡ならフィルム剤、黒色壊死/高度発赤がなければ穴あきポリエチレン袋+紙おむつ、通称「穴ポリ」を当てる。

当院では「穴ポリ」を看護師さんが自ら作ってくれる文化が根付いており、処置の体制は万全です。

そして黒色壊死/高度発赤があれば、それは感染が疑われる状況なので、デブリドマン/ドレナージを行う。これくらいの事であれば内科医の私でも行うことができます。
                         
                

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