漢方のこと

        

六病位を過剰適応・消耗病態で捉える

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2018/ 06/ 28
                 
漢方を勉強していると「六病位(ろくびょうい)」という考え方を学びます。

その昔、感染症に対する対抗手段が漢方薬しかなかった頃、

先人達は感染症を急性熱性疾患と捉え、その進行度を6つのステージに分けて考えました。

それぞれ「太陽病(たいようびょう)」期、「少陽病(しょうようびょう)」期、「陽明病(ようめいびょう)」期、

それから「太陰病(たいいんびょう)」期、「少陰病(しょういんびょう)」期、「厥陰病(けっちんびょう)」期、

という6つのステージを示しました。3つの「陽」がつく時期と3つの「陰」がつく時期があることから、「六病位」のことを「三陰三陽(さんいんさんよう)」と呼んだりもします。

このことは3世紀の初めに長沙(湖南省)の太守(知事)であった張仲景という人物が記したとされている『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』、通称『傷寒論(しょうかんろん)』に明記されています。
                         
                

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漢方薬は見えない代謝を整える

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2018/ 06/ 11
                 
2018年6月9日(土)-10日(日)の二日間、

大阪国際会議場で行われました第69回日本東洋医学会学術総会に参加して参りました。

漢方や鍼灸など東洋医学に興味がある医療関係者が一堂に会するおそらく国内最大規模の学会です。

もともと漢方に興味を持つ人は西洋医学一辺倒の現代医療に疑問を持つことに始まり、

必ずしもエビデンスの有無に捉われることなく、自分の頭で考えて行動する人が多いので、

斬新な発想での治療アプローチを知ることができたり、新たに考えるきっかけを与えられたりするのでいつも大変参考になります。
                         
                

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食べても食べても太らない理由

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2018/ 05/ 10
                 
ゴールデンウィーク中に大規模な断捨離を敢行していましたが、

どうしても捨てるのに未練を感じてしまう資料を見直している中、

昔出た漢方の勉強会で興味深い資料を発見しました。

それは日本東洋医学会の第43回中四国支部総会高知大会の時の要旨集でして、

講演内容のランチョンセミナーで発表された漢方医療頼クリニックの頼建守先生の御講演内容が私の目を引きました。

「多飲過食(間食)と月経の不調」
頼建守(漢方医療 頼クリニック 東京医科歯科大学老年病内科非常勤講師・臨床准教授)
                         
                

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抗生物質乱用は漢方薬を効きにくくする

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2017/ 12/ 21
                 
私が普段診る機会の多い高齢で寝たきりの患者さんの多くは、

誤嚥性肺炎や尿路感染症といった感染症による発熱をしばしば繰り返します。

その都度やむなく抗生物質を使用して制御を試みて、一旦発熱は治まるのですが、

そういう患者さんに限って抗生剤投与が終わってほどなくして再び発熱を繰り返したりします。

そしてまた抗生物質を使用して発熱を抑え、また再発して抗生物質を使ってと、

そんな事を繰り返している内に、抗生物質は次第に効かなくなり、炎症が抑えきれなくなり、

ついには消耗疲弊してそのままお亡くなりになられるという例も珍しくありません。
                         
                

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冷えが取り返しがつかなくなる前に

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2017/ 11/ 25
                 
寒い時期、シャワーを浴びたりするのが意外と至福のひと時だったりします。

特に首の後ろから熱いお湯をかけると気持ちよくて、あまりの気持ち良さにシャワーから上がるのが億劫になる事がよくあります。

そう言えば先日、漢方の勉強会で「冷え症」と「冷え」は明確に区別すべきという話を聞きました。

なぜならば「冷え症」なのか、「冷え」なのかで使うべき漢方薬が大きく変わってくるからです。読者の皆様はこの違いわかりますでしょうか。

「冷え症」とは冷えを感じやすい体質のことで、「冷え」とは局所組織の破綻(血流や水分代謝など)が起こり実際に冷えている状態のことです。

そしてポイントは冷えを感じる中枢は自律神経の中枢である視床(下部)に存在するということです。
                         
                

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