レヴィ小体型認知症の薬剤過敏性について取り上げました。
薬剤過敏性には
肝腎機能低下、ストレスマネジメント不良、多剤内服による自己治癒力低下、そして
タンパク質の量と質の低下といった背景があり、
食生活とストレスマネジメントに改善の余地あり、ということを知らせる身体からのメッセージだという私見を披露致しました。
しかし薬剤過敏性と言えばもう一つ、近年話題となっている発達障害にも認められることが分かっています。
私は普段発達障害の患者さんを診ているわけではありませんが、こちらの本にその事についての記載があります。
大人の発達障害ってそういうことだったのか 単行本 – 2013/5/17
宮岡 等 (著), 内山 登紀夫 (著) 発達障害とは、
以前も述べましたが、簡単に言えばクセのある脳の個性だと私は考えています。
大人の発達障害にも注目が集まってはいますが、一番はやはり小児に多くみられると思います。
その発達障害に薬剤過敏性があるというのはどういうことを意味するのでしょうか。
ところで、
糖質制限が発達障害の一部、自閉症に有効とされる論文報告はあります。
また別の論文では、
自閉症の病態に酸化ストレスに伴う神経変性が関わっている事が示唆されていて、
糖質制限により血糖値の乱高下を抑えて酸化ストレスを減らすことができるので、自閉症に糖質制限が有効であることは理論的にも説明できる所があると思います。
話を戻しますが、発達障害における薬剤過敏性ですが、
まだこどもなので肝臓や腎臓の機能が未発達ということはあっても、機能が低下しているとは考えにくいことです。
あるいは
ポリファーマシーの要因も一般的には考えにくいでしょう。
しかし未発達ということだけで言えば、こども全員が薬剤過敏性を示すことになると思いますが、
そうではないと思いますので、発達障害の人独特の薬剤過敏性をきたす要因があるはずです。
発達障害の人はその強い脳のクセ、あるいは思考のクセによって、
社会の中で生きていく中で非常にストレスを感じやすい人達だと言えると思います。
そうすると、薬剤過敏性をもたらす背景の中で、ストレスマネジメント不良の部分がはたす役割が大きいと考えるのが妥当ではないかと私は考えます。
おなじこどもでも、一般的なこどもが10のストレスを感じるところを、
発達障害のこどもは100感じてしまったりする部分があるのではないでしょうか。
そして発達障害に糖質制限が有効である可能性が示唆される状況も踏まえれば、
やはりこどもであろうとも、薬剤過敏性は食生活とストレスマネジメントを見直しなさいということを伝えるメッセージだという側面がみえてきます。
その
警告メッセージを正しく受け止めて、
薬との生活に縁を切り、その人にとって適切な食生活と適切なストレスマネジメントにたどり着いた時に、
薬剤過敏性の問題からは逃れられているのではないかと私は思います。
たがしゅう
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