Post

        

問題がそのままでもストレスは軽減できる

category - おすすめ本
2019/ 01/ 03
                 
昨日紹介したYouTuber医師の先駆け、樺沢紫苑先生

動画コンテンツの質の高さに魅せられ、最近書かれたという著書を購入して読んでみました。




人生うまくいく人の感情リセット術 (知的生きかた文庫) 文庫 – 2018/12/22
樺沢 紫苑 (著)


内容は動画と同様、さすが説得力のある根拠を示しつつ、様々なストレスマネジメント法が具体的に紹介されているものでしたが、

折しも元旦に紹介したサーノ博士の本を読んだばかりのタイミングだったので、

その内容がリンクして非常に印象に残る一節がありました。
            



それは、「ストレスを与えている問題が解決していなくてもストレスが軽減することがある」という部分です。


(以下、p68-70より引用)

(前略)

たとえ苦しくても、自分でコントロールが可能なら、それはストレスにはなりません。

自分で制御できない、「どうにもならない」点がストレスのストレスたる所以であり、「なんとかなる」と思った瞬間にストレスではなくなるのです。

「対人関係がうまくいかない」悩みを抱えているなら、「対人関係を改善する本」を読んでみたり、対人関係改善セミナーに出てみる。それだけでストレスは軽減されます。

(中略)

解決する手段を知るだけで、実際の問題は解決しなくてもストレスが軽減される。

これは、マウスを使った実験でも明らかにされています。

別々のケージ(かご)に入れた2匹のマウスに軽い電気ショックを与えます。

片方のマウスが入ったケージにだけ、レバーがついていて、そのレバーを踏むと、両方のケージの電気ショックが止まる仕組みになっています。

何度か電気ショックを与えると、レバーのついたケージのマウスは、電気ショックを止める方法を学習します。

レバーを踏んで自分で電気ショックを制御できるマウスと、何もできなくて、ただ電気ショックにおびえるマウス。

どちらがストレスの影響を受けると思いますか?

答えは簡単ですね。何もできないマウスです。

電気ショックを受けた回数と時間はまったく同じだったにもかかわらず、何もできないマウスは、潰瘍ができて衰弱が早いなど、ストレスの影響をより大きく受けたのです。

つまり、ストレスの原因や苦痛を取り除けなかったとしても、ただ対処法を知っているだけで、そのストレスを軽減させることができるのです。

(引用、ここまで)



これはマウスでの実験例でしたが、この話を私達が日々抱えるストレスに置き換えればどうでしょうか。

ストレスを与えるストレッサーは電気ショックの代わりに、職場での人間関係の悪さであったり、仕事量の多さであったり、金銭的な問題であったり様々のパターンがあるでしょうけれど、

それらのストレッサーそのものは現実問題変えられないことの方が多いのではないかと思います。

ところが、ここでは電気ショックを止めるレバーに相当する、ストレスへの対処法を知るということ、

悪い人間関係に対しては、「100%悪い人などこの世に存在しない。必ず自分に見えていない相手の良い部分があるはずだ」と相手のネガティブな点をポジティブへと変換するワークをしてみる、ですとか、

仕事量が多いことに対しては、「今成長のための試練の時期であり、これを乗り越えれば自分が大きく成長できるチャンスだ」という風にとらえてみる、ですとか、

金銭的な問題は様々なレベルのものがあると思いますが、「食事量を減らせば何とかなる」とか「今使っていないものを売れば何とかなる」とか、最悪無給となっても市役所に相談することもできる。生活保護でも何でもまた一からやり直せばよい」などと考える、ですとか、

そのように同じ状況のとらえ方を変えることによって、ストレスを軽減することができるというのです。

なぜならストレスとは物理的なものではなく、思い通りにならなくてつらいと心が認識することによって起こる身体のリアクションであるからです。つらいと思わなければそのリアクションを起こさなくて済むわけです。

さらに言えば、サーノ博士の本に書かれていたTMS(Tension Myositis Syndrome;緊張性筋炎症候群)、これは無意識下で抑圧された怒りが原因だということでしたが、

この怒りを認識するだけで、必ずしもその怒りを許したり、考え方を変えられなくとも、

怒りが脳の注意をそらすために痛みを作っているというもくろみがばれてしまうために痛みが消えるという話でした。

これもまたストレッサーが変わらずとも、ストレスを軽減することができることを示す一例だと思います。


いかんともし難い過去に起こった大惨事や大失態、

どう考えてもうまくやっていくことはできそうにない馬の合わない人の存在、

そうした過去や他人というのは決して変えることはできませんが、

過去への解釈や、他人との人間関係は、自分の考え方次第でいくらでも変化させることができるわけです。

「ストレスマネジメントっていったって、どうしようもないストレスだってあるんだから私には無理」

そう思っている人には是非読んでほしい本です。

おそらくその方の想像以上に、上述の方法以外にも、

ストレスマネジメントの方法として打つ手はたくさんあるのだということに

読めばきっと驚かれるのではないかと推察します。

それにしても、YouTuberとしても、作家としても優秀な樺沢紫苑先生。

今後、個人的には注目の存在です。


たがしゅう
関連記事

            
                                  

コメント

非公開コメント
        

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
No title
先生、おはようございます。

ストレスは自分自身が生み出すもの。
ストレスを抱えることによって自分の均衡を保つためにこれまであえて引き寄せていたのかもしれません。
そう思うと問題が問題ではなく自分自身の思考が問題だったのだと改めて思えます。気がつくきっかけは友人の話を聞いていてでした。一つ解決しても、また次のストレスを抱え込む。私もきっと同じなのだろうと。極端にいえばストレスを抱えている自分が好きだったのかもしれません。
これは病気に対しても思うことです。ずっと頭から離れなかった血糖値を最近忘れていることに気がつきました。「そういえば私、血糖値が高かったんだ」という風に。とても自由になった気持ちです。
これもストレスをもてあました過去があってこそ、すべて無駄ではないのだと改めて思っています。

これも考えるヒントやきっかけを提示してくださる先生のブログのおかげ。
ありがとうございます。

Re: No title
花鳥風月 さん

 コメント頂き有難うございます。

> とても自由になった気持ちです。
> これもストレスをもてあました過去があってこそ、すべて無駄ではないのだと改めて思っています。


 非常に重要なことをご指摘頂いていると思います。有難うございます。

 記事中に過去は変えられないけれど、過去への「解釈」は変えられると書きましたが、
 大変だったとか、無駄だったとか感じられる過去も、自分のとらえ方次第で実はその先への重要なステップにすることはいくらでもできます。今自分が苦しい時期を過ごしていると思っている人にはそのことを是非とも心に留めておいてもらいたいと思います。
コップ半分の水
「コップ半分の水」を見て、ある人は「半分も入っている」と喜び、別のある人は「半分しかない」と嘆く

一つの現象の捉え方は人によって様々だ、と何かで学びました

この考え方は、私にとっては心の落ち着きを得る上での重要な原理となっています

「足るを知る」

ことでしょうか。
Re: コップ半分の水
だいきち さん

 コメント頂き有難うございます。

> 「足るを知る」

 ご指摘の通りだと思います。
 「少欲知足」は私の中でも大事にしている考え方です。
 言うは易し、行うは難しであることは承知ですが、不可能ではないというところに希望が持てます。

 2017年1月13日(金)の本ブログ記事
 「「です」と「ですね」の違い」
 http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-840.html
 もご参照下さい。